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GA4だけでは出来ない分析や気付きが簡単に!|小川卓がコンテンツアナリティクスを使って自社サイトを分析しました

この記事では、当社のCAO(Chief Analytics Officer)でもある小川卓が、同じく当社の提供するWEBサイトをコンテンツ単位で分析するツール『Content Analytics(以下:コンテンツアナリティクス)』を使い、自身が代表を務める株式会社HAPPY ANALYTICSのサイトを分析した結果とその使用感をお伝えしています。

小川卓(おがわたく)のプロフィール

株式会社UNCOVER TRUTH
CAO(Chief Analytics Officer)
小川 卓

University College London (UCL) 卒業。早稲田大学大学院理工学研究科 卒業。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。ウェブサイトのKPI設計、分析、改善を得意とする。ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地での講演は500回を突破。著書に『ウェブ分析論:増補改訂版』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。

コンテンツアナリティクスとはどんなツール?

コンテンツアナリティクスは、株式会社UNCOVER TRUTHが提供するWEBサイト分析ツールです。

WEBページの画像やテキストをコンテンツ単位に自動的に分解してデータを取得

分析対象に設定したページの画像1つひとつまで、コンテンツアナリティクスが自動的にコンテンツを取得します。これまでの解析ツールでは設定が細かく、時間をかけて行わなければならない分析の準備が一切不要。レポート画面を見れば、簡単に改善すべき箇所にたどり着くことができます。

コンテンツアナリティクスとは①

WEBサイト改善(CRO)にも、顧客育成(CRM)にも活用できる機能が満載

コンテンツアナリティクスはWEBサイトに訪れるユーザーの嗜好性をコンテンツから導き、精度の高い顧客分析を可能にします。顧客理解を深めることで、ファン育成、リピート率改善など、LTVの最大化を実現し、売り上げ向上に貢献します。

コンテンツアナリティクスとは②
コンテンツアナリティクスとは③

使ってみたその①|改善対象のページを見つける

さて、まずは、改善の効果が高いページを見つけるために、セッション数とゴール率に注目しました。下図内の青枠はセッションが最も多いページ、緑枠はゴール率が高いページ、赤枠はゴール率が低いページと分けて、それぞれを調べていくことにしました。GA4等の解析ツールと同様に、ページ毎のセッションとゴールも簡単に確認できるのも良いですね。

コンテンツアナリティクスの画面:改善対象のページを見つける

用語解説|コンテンツアナリティクスの「ゴール」とは?
※表示名称は同じですが、開いているレポートの種類によって内容が異なります。


<ページレポートの場合>
ゴール数
:セッション数の中で、設定した対象のゴールURL(or イベント)に到達した数
ゴール率:ゴール数 / セッション数

<コンテンツレポートの場合>
ゴール数:ゴールしたセッションの中での、コンテンツのビュー数
ゴール率:ゴール数 / ビュー数 ※ゴール率が良い順でランキングがふられています

使ってみたその②|成果の悪いページを調べてみる

下図にあるように、コンテンツアナリティクスでは、対象のページを選択すると、左側に対象ページのキャプチャが表示され、右側の表内に自動的に要素分解された各コンテンツと、コンテンツ毎に計測された各種データが表示されます。

コンテンツアナリティクスの画面:ページのデータ画面(「著書紹介」ページ)

ここでは、前段で調べたページの中でも、そこそこのセッション数がありながら、ゴール率が低かった下記2ページを、コンテンツアナリティクスの指標の一つ「ビュー」を中心に調べてみました。実際のページのURLも貼っていますので、実際のページを開きながらご覧いただけるとわかりやすいかと思います。

用語解説|コンテンツアナリティクスの「ビュー」とは?

ビュー数
:ページビュー内でコンテンツが50%以上表示されると、閲覧秒数をカウントします。そのカウントが累計2秒以上になると、閲覧されたと判定しています。 もし、コンテンツのサイズがデバイスの可視領域サイズ(window.innerHeight, window.innerWidth)を超えている場合は、ブラウザ最下部と最上部を基準に50%分が表示されると閲覧秒数をカウントします

ビュー率:ビュー数 / セッション数

成果の悪いページ1|著作紹介のページ

まずは、著作紹介 https://happyanalytics.co.jp/books/のヘッダーを含めたファーストビューの数字に注目しました。他のページのファーストビューのビュー率は50〜60%に達しているのですが「著作紹介」のファーストビューのビュー率は20~30%程です。さらに、ビュー数も他のページと比べて少ないので、ファーストビューを改善して、読み進めてもらえるようにしていく必要があるかもしれません。

コンテンツアナリティクスの画面:ファーストビューのビュー率の違い
※上図は、それぞれの画面をつなぎ合わせて記事用に作成した画像になります

下図のように現在のファーストビュー部分には、執筆や監修をした書籍数を掲載していますが、例えば、具体的な実績内容を書く等を検討してみようと考えています。また、ファーストビューの下に「著作」を並べて表示していますが、縦に幅をとってしまっているので、ここも改善した方が良いかなと考えています。

「著作紹介」ページのファーストビューと下にある著作一覧

さらに下に続いていく著作の中でも、共著した書籍辺りのビュー数が、ファーストビューと比べると4分の1程度とまったく見られていない状態でした。全体的にクリック率も低めなので、全部スクロールして読み切らなくても良いように、著作部分のレイアウトの見直しや、各著作紹介の間に別動線として「執筆に関してのお問い合わせ」のCTAやフォームの設置等を検討してみます。

成果の悪いページ2|連載・執筆のページ

続いても、前段でゴール率が低かった、連載・執筆 https://happyanalytics.co.jp/business_article/について見てみます。こちらもビュー数が少ないうえに、ヘッダー含めたファーストビュー部分が最も滞在時間が長く、下にスクロールしても読み込まれていないことがわかります。

コンテンツアナリティクスの画面:「連載・執筆」ページ

ページ下部にある実績紹介にあたる「執筆媒体」部分も閲覧秒数が3〜5秒と短かったので、媒体名でのテキストリンクよりも、画像やロゴ等を追加したカード型リンクにして見やすくした方がいいかもしれません。

「連載・執筆」ページの執筆媒体部分

このように、コンテンツアナリティクスを利用することで、ページ全体をコンテンツ単位での数値や成果で確認できるようになるので、より具体的な改善施策やアイディアも湧きやすくなります。

使ってみたその③|成果の良いページを調べてみる

ここからは、成果の良い下記ページも調べてみます。こちらも実際のページのURLを貼っていますので、実際のページを開きながらご覧いただけるとわかりやすいかと思います。

成果の良いページ1|企業情報・代表メッセージのページ

コンテンツアナリティクスの画面:「企業情報・代表メッセージ」ページ

まずは、企業情報・代表メッセージ https://happyanalytics.co.jp/ceo_message/です。上図にある通り、ファーストビューのビュー率が60%近くあります。他にも会社概要や地図部分のビュー率も高くなっていたので、来訪者が「会社のことをちゃんと知りたい」と思ってくれていることがわかります。

とはいえ、下図にあるサービス紹介の詳細(5つの項目)の部分は全体の中で、少し低めの数字となっていました。企業情報・代表メッセージを見に来ている中で、少し毛色の違う情報だからかもしれませんね。

また、このページの下部までしっかりと見てくださっている方はゴール率が高い傾向にあるのが分かりました。そのため、中間にあるこのサービス紹介の詳細部分は、ページ下部や別ページに移動し、会社概要や私のプロフィールなどをもっと上部に持ってきた方が良さそうだと考えています。

「企業情報・代表メッセージ」ページ内のサービス紹介詳細部分

成果の良いページ2|提案型ウェブアナリスト育成講座のページ

次に、提案型ウェブアナリスト育成講座 https://happyanalytics.co.jp/schoolpbwa/のページです。下図にあるように、クリック数がずば抜けている個所があります。詳細を見ると「いつでも受講可能なオンライン講座のページはこちら」というテキストリンクでした。このページは、タイトル通り、ウェブアナリストの育成講座の募集ページで、メインはオフラインでの開催について記載しています。

ですが、このクリックの数値を見て、実際にオフラインとオンライン両方で検討している方が多いことがわかりました。

用語解説|コンテンツアナリティクスの「クリック」とは?

クリック数:コンテンツがクリックされた回数 ※1セッション内で複数回クリックされても、1カウントして扱います

クリック率 クリック数 / ビュー数 ※前段でお伝えしたビューが発火せずにクリックだけ発火するということもあり得ます

コンテンツアナリティクスの画面:「提案型ウェブアナリスト育成講座」のページ

今はページ内での「いつでも受講可能なオンライン講座のページはこちら」の文言が下図のように小さいので、文字を大きくしたり、オンラインとオフラインの比較表を入れるともっと良くなりそうです。

「提案型ウェブアナリスト育成講座」ページ内「いつでも受講可能なオンライン講座のページはこちら」のテキストリンク部分

他にも、リンクも付けてなく、画像をクリックしても大きくならない箇所でのクリックが割と発生していたので、その部分の情報もしっかりとお伝えできるようにすると良いかもしれませんね。

さらに、ページ下部にあるFAQや卒業生対談記事のビュー率が全体の中でも比較的高かったのですが、そもそもページが下部になるにつれてビュー数は減っているので、ページ上部に目次やアンカーリンクなどを入れて、その情報が必要な方が離脱する前に見てもらえる環境を用意しても良さそうだと考えています。

成果の良いページ3|TOPページ

コンテンツアナリティクスの画面:TOPページ

最後は、TOPページ https://happyanalytics.co.jp/です。上図にはありませんが、TOPページでは、下部に行くほどゴール率は増加していました。

問い合わせの導線をヘッダーとフッダーに用意してあるのですが、ヘッダーからのゴール(問い合わせ)が38件なのに対し、最下部からのゴール(問い合わせ)は10件と、ページ上部とページ下部の差が大きいのですが、ページ中央に配置されているサービス紹介の部分には、問い合わせへの導線がないうえに、ビュー率が30%程+滞在時間が短かったため、ページの中間部分にも問い合わせボタンを追加しても良さそうです。

さらに、コンテンツアナリティクスには、フィルタ機能もあるので、訪問回数でセグメントして、新規とリピーターでフィルタリングしてみました。すると、新規の方がリピーターの約2倍のビュー数がありましたが、リピーターの方がビュー率やゴール率は高くなります。そのため、1回の訪問で問い合わせに繋がるサイトには、中々なっていないということがわかりますね。

コンテンツアナリティクスの画面:TOPページ(新規)
コンテンツアナリティクスの画面:TOPページ(リピーター)

感想・まとめ

コンテンツアナリティクスを実際に自分のサイトで使ってみて「ビュー率などもランキング形式で見れるようになったらいいな」「期間比較機能があると施策前後や最新の結果などがわかりやすくなるな」「どのフィルターがかかっているかを画面に表示できるとなお良いな」etc…といった機能面やUIのこれからの向上に期待したい部分も正直ありました。

ですが「1ページに重要な情報がまとまっているわかりやすさ」「ソート機能で色々な視点を見つけやすかった」「ゴール率にランキングマークがついていて効果がわかりやすかった」etc…と現時点で使うべき効果も充分わかりました!

コンテンツアナリティクスを使うことで、GA4だけでは出来ない分析や気付き、改善案が出せるイメージも持つことができました。必ずしも毎日見るものではないかもしれませんが、週のサマリーや変化レポートを定期的に確認していく習慣作りをして、見ていけると良いなと感じています!

ご興味ある方はぜひ下記フォーム、もしくはコンテンツアナリティクスのページよりお問い合わせください!


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