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データドリブンな顧客マーケティングにおけるセグマップと顧客KPIツリーの役割と連携|2. 顧客KPIツリーの役割と位置づけ

ステージに応じてどのようにデータ活用を進めていくべきかを考える際、最終的なデータ活用の目的が「お客様とのコミュニケーションを最適化することを通じて、長く自社サービスをご利用いただける関係を構築する」であれば、ロイヤルカスタマーと呼ばれる方がどのような経緯や目的でサービスをご利用いただいているのかを把握するために何らかの形で顧客構造を可視化することは必須となります。

この顧客構造可視化にあたり最も一般的に用いられるものに、「セグメントマップ(通称:セグマップ)」と「顧客KPIツリー」があります。いずれも、弊社がご支援させていただくプロジェクトでも頻繁に登場する手法です。このシリーズでは、「データドリブンな顧客マーケティングにおけるセグマップと顧客KPIツリーの役割と連携」と題して、計3回に分けてKPIツリーとセグマップについて解説しています。2回目の今回は、顧客KPIツリーの役割と位置づけについてです。

本記事では、AIにディープリサーチさせた結果も引用しつつ、その違いと活用について解説していきたいと思います。

2. 顧客KPIツリーの役割と位置づけ

前回記事では、セグマップの役割について調べてみました。

今回は同じデータドリブン顧客マーケティングに使われる手法として最も一般的といってもよいKPIツリーについて改めて役割を確認してみましょう。

まずは、前回と同じくAIに顧客KPIツリーの役割や利用シナリオを聞いてみました。

顧客KPIツリーは、顧客の購買行動やエンゲージメントなどの目標(上位KPI)を、それを構成するより具体的な指標(下位KPI)に分解し、構造化したものです。これにより、目標達成に向けた課題やボトルネックを特定し、具体的なアクションに繋げることができます。

企業内での位置づけ:

  • 目標達成の進捗管理: 設定したマーケティング目標に対する貢献度をKPIの変化として可視化し、進捗状況をモニタリングするために利用されます。
  • 課題発見と改善: KPIツリーを分析することで、どの段階で顧客が離脱しているのか、どの施策が効果を発揮していないのかなどの課題を特定し、改善策を検討する材料となります。
  • 施策効果の測定: 実施したマーケティング施策が、KPIツリーの各指標にどのような影響を与えたかを測定し、効果検証を行うために活用されます。

具体的な利用シナリオ例:

  • ECサイトのコンバージョン率向上: コンバージョン率(上位KPI)を「サイト訪問数」「カート追加率」「購入完了率」などの下位KPIに分解し、最も低い指標を改善するための施策(例:カート落ち対策)を実施する。
  • メールマーケティングの効果最大化: メール経由の売上(上位KPI)を「メール開封率」「クリック率」「コンバージョン率」などの下位KPIに分解し、開封率が低い場合は件名の改善、クリック率が低い場合はコンテンツの見直しを行う。

顧客ロイヤルティ向上: 顧客生涯価値(上位KPI)を「平均購入単価」「購入頻度」「継続率」などの下位KPIに分解し、継続率を高めるための施策(例:ロイヤリティプログラムの導入)を検討する。

上記例では上位KPIと下位KPIという構造でKPIツリーを表現していますが、当社でKPIツリーを作成する際には目的にあたる最上位KPIを「KGI」と定義し、まず「KGIは何か」を明らかにするところからプロジェクトをスタートさせます。

達成すべきKGIがなんであれ、KPIツリーは、その目的達成に貢献する要素としてのKPIを可視化し、各KPIの状況や変化を見ることで課題や注力ポイントを抽出し、具体的な改善施策を検討したり、施策実施効果を検証するのに有効です。

つまり、セグマップが「現在どのような顧客がいるのか」を俯瞰的に可視化するのに対して、KPIツリーは「なぜそのような顧客構造になったのか」の要因を明らかにするもの、と言えるかと思います。

KPIツリーには多数のKPIが含まれますが、原則的に全てのKPIを毎月定点観測しつつ、特に改善していこうとしている戦略KPIに的を絞って施策効果などを確認していくのが一般的なプロジェクトの進め方となります。

その他の指標については余程の市場変化などが発生しない限り毎回変動するものは基本的にないことが前提になりますので、「変化がないこと」や、「変化があっても要因の想像がついていること」が大切です。

要因の不明な変化があれば、何らかの構造的な変化があった可能性が考えられますので、追加調査を行うこととなります。

ここまで、セグマップとKPIツリーそれぞれの特徴について見てきました。

次の章では、セグマップと顧客KPIツリーの関連と適切な利用方法セグメントと題して、実際にデータドリブンにCRMを推進していく上で、これら二つの手法をどのように活用していけばよいのかを見ていければと思います。

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