男性ロイヤル顧客は“商品部門A”がカギ?:小売ビジネスで見えた育成戦略~分析を行う意義~| 【連載アナリストブログ 第4章第1話】

目次
導入
こんにちは!
UNCOVER TRUTHでデータアナリストをしている清水です。
今回は、小売業における男性向けロイヤル顧客の育成をテーマにした分析事例をご紹介します。
ロイヤル顧客は全体の一部にすぎませんが、売上の大部分を支える存在です。
新規獲得に比べて維持コストが低く、長期的な利益や安定性をもたらします。
だからこそ、彼らを育成・維持することが事業成長のカギとなります。
そんなロイヤル顧客へ育成させるための分析を下記4話に分けて解説していきます。
<ラインナップ>
第1話 分析背景と全体の方針
第2話 現在のロイヤル顧客の理解
第3話 買い方の深掘り分析
第4話 商品の組み合わせの分析
第1話の今回は、分析に至った背景をご紹介します。
第1話:分析背景と全体の方針
分析背景
同じ商材を扱っていても、男女で購買傾向が大きく異なるということは、経験値や過去の分析から判明していました。
しかし男女別の顧客育成方針にまで言及はできていませんでした。
そんな状況の中、今回は「男性」にフォーカスし、購買行動の傾向を詳しく分析しました。
この分析を通じて、男性ロイヤル顧客の特徴を把握し、どのように育成していけるかのヒントを探っています。
顧客育成方針とは…?
ひとりのお客様を、ロイヤル顧客へと成長させるための中長期的な取り組みの考え方を整理したものです。
(ここでいうロイヤル顧客はファンとも言い換えることができます。)
具体的には…
初めて使う→2回目使う→継続的に使う→ロイヤル顧客→継続的にロイヤル顧客であり続ける
というステップを経てもらうためにどのタイミングでどんなことをするか?を設計することになります。
上記ステップは、1か月2か月のスパンで踏めるようなものではありません。
1年2年3年と中長期的な視点でお客様を成長させる必要があります。
分析方針
男性ロイヤル顧客の特徴を把握するために、全3回にわたって分析を進めました。
1.現在のロイヤル顧客の理解
まずは最新のデータを用いて、男性ロイヤル顧客の特徴を可視化しました。
具体的には、女性と比較して
・ロイヤル化しやすいか?
・よく購入されている商品カテゴリーに違いはあるか?
といった観点を分析し、ロイヤル顧客像の解像度を高めています。
▼1回目の分析イメージ:男女の比較

2.時系列を追った購買分析
1回目の分析で得られた特徴を踏まえ
・初回にどの商品を選ぶのか
・2回目の購入は何日後に行われるのか
など、購買行動のタイミングに着目して分析しました。
さらに、男性ロイヤル顧客をいくつかのパターンに分類し、それぞれの購買サイクルの違いも確認しています。
▼2回目の分析イメージ:購買分析

3.商品の併売傾向の分析
最後に、具体的にどの商品が一緒に購入されやすいのかを明らかにしました。
アソシエーション分析という手法を用い、
「○○を購入した方には○○をレコメンドできるのでは?」
といった施策設計のヒントを探っています。
▼3回目の分析イメージ:併売分析

次回以降のブログでは、この3つの分析ステップをそれぞれ深掘りしていきます。
どのようにデータを読み解き、施策に落とし込んでいったのかを詳しくお伝えする予定ですので、ぜひ続けてお読みいただければと思います!
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この記事を書いた人
清水 貴仁(しみず たかひと)
コンサルティンググループ アナリストチーム
2022年にUNCOVER TRUTHに入社。
翌2023年にアナリストチームに参画。
CRM観点の顧客分析やKPIに基づくダッシュボードの作成などを担当。
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