データはあくまで手段。ビジネスを動かす“納得感”を求めて

データアナリスト。その華やかな響きの裏には、泥臭いデータの整形や、クライアントとの緻密な合意形成の積み重ねがあります。今回は、プラント設計からデータの世界に飛び込み、あえて「エンジニア」からキャリアをスタートさせた石川さんに、その独自のキャリア論とチームの魅力を詳しく聞きました。
目次
「魚の胃袋」から「焼却プラント」へ。泥臭い現場で学んだ「根拠」の重要性
採用担当(以下、――): 石川さんのキャリアを紐解くと、データアナリストとしてはかなり異色の経歴ですよね。まずは学生時代のことから詳しく伺いたいのですが、どのような研究をされていたんですか?
石川さん: 一言で言うと「ゴミの研究」です(笑)。僕は釣りが趣味だったこともあって、環境問題、特に「魚の胃袋の中にどれだけマイクロプラスチックが溜まっているか」を調査していました。
―― 魚の胃袋……!それは具体的にどうやって調べるんですか?
石川さん: 実際に海へ行って魚を釣り上げ、一匹ずつ捌いて胃袋を取り出し、顕微鏡で中のプラスチック粒子を一つひとつカウントするんです。非常にアナログで泥臭いフィールドワークでしたね。でも、この「自分の目で見て、実在するものを数える」という経験が、僕のデータに対する執着心の根底にある気がします。
―― その研究から、新卒では焼却プラントのメーカーに進まれたんですよね。
石川さん: はい。「ゴミ」という一貫したテーマはありましたが、仕事は全くの別世界でした。プラントの設計や施工管理を担当し、ヘルメットを被って建設現場に立ち、職人さんに指示を出す毎日です。社会インフラを支える巨大な設備なので、少しの設計ミスも許されません。
―― そこからIT・データの世界へ関心が移ったきっかけは何だったのでしょうか?
石川さん: プラントの仕事はやりがいがありましたが、もっと「個人の行動やビジネスの仕組み」に直結するデータに触れたいと思うようになり、転職を決意しました。2社目は新卒向けスカウトサービスのカスタマーサクセス(CS)です。
―― CSでは、どのようなデータ活用をされていたんですか?
石川さん: 企業様が送るスカウトメールの開封率や返信率を分析して、「次はこういう文面にしましょう」といった提案をしていました。ただ、ここで大きな壁にぶつかったんです。
―― どんな壁ですか?
石川さん: 「見られるデータに限界があったこと」です。当時、社内で公開されているダッシュボードの数字は見えるものの、その裏側にあるデータベースを直接触る権限はありませんでした。
「返信率が下がったのはなぜか?」と深掘りしたくても、特定のユーザー層がどういう行動をとったのかというログまで辿り着けない。結局、見えている表面的な数字だけで仮説を立てるしかなく、自分の中で「納得感」のある提案がしきれなかったんです。
―― 「もっと深く、生のデータに触れたい」という興味が、UNCOVER TRUTHへの入社動機に繋がったんですね。
石川さん: そうですね。もっと深い行動ログを掘れば、妥当性の高い課題が見つかるはずなのに……というもどかしさがありました。「自分の仮説に納得感を持って、お客様を動かしたい」。そう決意して、UTへの転職を選びました。
あえて選んだ「1年間の修行」。
データの裏側を知る者が、真の分析を手にする
―― 入社時、石川さんは「将来はアナリストになりたい」と明確な目標を持っていましたよね。それなのに、最初の1年間を「DXA(アナリティクスエンジニア)」として過ごすことを自ら希望されましたよね。これにはどんな意図があったのでしょうか?
石川さん: 一言で言えば「裏側を知らないアナリストにはなりたくなかった」からです。前職のCS時代、僕は「用意された数字」しか見ることができず、その数字がどういう定義で、どういう仕組みで集計されているのかが不透明なことにフラストレーションを感じていました。
もし僕がそのままアナリストになっていたら、数字に違和感があっても「システムがそう出しているから」としか言えない、説得力のない人間になってしまう。だからこそ、まずはデータの「作り手」であるエンジニアの視点を手に入れたいと思ったんです。
―― 実際にAE(アナリティクスエンジニア)として業務を始めてみて、最初はどう感じましたか?
石川さん: ……正直、最初は「データの洗礼」を受けましたね(笑)。
現場で扱う生のデータが、そのままではすぐに分析に使える状態ではないという「現実の複雑さ」に驚いたんです。
―― そのままでは使えない、具体的にはどういうことでしょう?
石川さん:クライアント様が蓄積されているデータは膨大で非常に価値があるのですが、部署ごとに異なるシステムで管理されていたり、事業が拡大していく歴史の中でデータベースの仕様や項目の名前が統一されていなかったりすることがよくあります。また、Webサイトの計測タグも、サイトのアップデートを繰り返す過程で設定が複雑化しているケースが多いんです。
整形前のデータは、いわば「磨かれる前の原石」のような状態です。散らばっている点と点をSQLを駆使して結びつけ、分析という光が当たるように意味のある形へ整えていく。AEの仕事は、非常に緻密で忍耐のいる作業の連続でした。
―― その「泥臭い経験」が、今の石川さんを支えているわけですね。
石川さん: 間違いなく、今の僕の最大の武器です。 今、アナリストとしてクライアントに数字を出すとき、「この数字、ちょっと変だな」という直感的な違和感にすぐ気づけるようになりました。「あ、これはSQLの結合条件のミスかな」とか「GA4の計測設定に不備があるかもしれない」と、裏側の構造までセットで仮説を立てられる。
この「裏側まで見える」という感覚は、現場感覚に根ざした強みだと思っています。
データで「ファン」の輪郭を描き、ビジネスに再現性をもたらす
―― 1年間のDXA(エンジニア)期間を経て、現在は念願のアナリストとして活躍されていますね。現在はどのようなプロジェクトを担当されているのでしょうか?
石川: メインで担当しているのは、玩具メーカー様や化粧品会社様の案件です。毎週の定例レポートの作成や、チャネル分析が主な業務です。また、これまでの経験を活かして、他案件のBI(Tableau)の構築支援や、複雑なデータ加工が必要な際のサポートなど、エンジニアとアナリストの「架け橋」のような役割も担っています。
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