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CRO(コンバージョン率最適化)とは?まずは意味、全体の流れ、ポイントを理解しましょう

こんにちは。UNCOVER TRUTHの石川です。
当社の提供サービスの中でも、CROは最も多く支援させていただいているサービスの一つです。
今回は、その中でも基本となる言葉の意味と全体の流れ、実施のポイントなど、CROの概要についてご紹介させていただきます。

※読了時間(7~10分)

こんなことにお困りのご担当者様へ
・コンバージョンを上げろと言われているが、どういう手順で進めていいかわからない
・広告やSEO等の流入施策を手を変え品を変え実行しているが、大きな成果を生み出せていない

この記事を読むと分かること
・CROの内容が分かる
・コンバージョンを改善するための大きな流れがわかる

1. CROとは何か?

まずは用語説明です。
CROという用語をシンプルに分解すると下記になります。

CR
‣ Conversion Rate=コンバージョン率

O
‣ Optimization=最適化

文字通りですが、

コンバージョン(率)の最適化(改善)を行うことがCROとなります


2. そもそもコンバージョン(CV)とは何か?

コンバージョン(CV)とは何を指しているのでしょう?

コンバージョンは、サイト運営側が設定する、
ユーザーに起こしてほしい特定のゴールとなるアクションのことを指します。

ではゴールとなるアクションとは何か?
例えば下記のようなものです。

‣購入完了
‣会員登録完了
‣メルマガ登録完了
‣SNSフォロー
‣資料請求登録完了
‣アプリダウンロード
etc..

コンバージョンは、ビジネスモデルはもちろん、WEBサイトの目的やビジネスにおける役割、ご自身が担当している領域によって異なります。

ではここであらためてCROとは何か?を説明すると、

CRO=より多くのコンバージョンをより効率的に獲得するために、WEBサイト(アプリなども含みます)を改善していく活動

と定義できます。

<補足>
BtoB企業の場合は、WEBだけでコンバージョンが完結しないこともあります。
例えばお問い合わせをWEB上でいただいた後に、営業マンが企業に訪問、見積もりをしてから受注といった行動がWEB以外で起きるようなケースです。
このようなケースの場合には、
CRO=受注に繋がりやすい質の良いお問い合わせをより多く獲得していくために、WEBサイトを改善していく活動となります。

店舗を保有するECサイトの場合は、店舗への誘導もコンバージョンの一つになることもあるでしょう。つまりコンバージョンの目的や状況に応じて、最適化の方向性は大きく変わっていきます。

3. CROの手法は?

CROを行う手法はいくつかありますが、ここでは代表的なCROの手法をいくつか紹介します。

【入り口を改善する手法:LPO】
WEBサイトに訪問した時に最初に接触するページを改善する手法です。
このページの構成や内容を見直しすることで、直帰率の改善などサイト回遊を高めることで、コンバージョンにつなげます。
LPOに関しては過去記事がありますので、併せてご覧ください。
(過去記事: LPO(ランディングページ最適化)は 「ページに関するデータ量」×「ページ内の行動データ」が鍵!

【コンバージョンページへの回遊を促す手法:ABテスト】
コンバージョンプロセスにより多くのユーザーを回遊させるため、ページを改善する手法です。
現在のページ(Aパターン)に対して変更を加えたテストパターン(Bパターン)を用意し、ユーザーが流入した時に、一定ルールに基づき両ページを振り分けて表示させ、どちらの成果が良かったかをテストします。

【コンバージョンページへの回遊を促す手法:WEB接客】
ユーザーがサイトに訪問をするなどサイトと何かしらの接触をした際に、WEB上で接客(コミュニケーション)する手法です。
ユーザー個々の特性に合わせて、ユーザーが欲しい情報に辿り着けるようにオススメの商品をPOPUPで表示したりするなど、出来るだけ効率的にユーザーが欲しい情報に辿り着けるよう、実店舗での接客のようにお勧めします。

【フォームの完了数をアップする手法:EFO】
フォーム項目内容や項目数などを見直す手法です。
エントリーフォームを入力しようとしているモチベーションの高いユーザーをできるだけ取りこぼさないようにする手法です。
入力項目の精査や内容の分かりやすさの改善、入力エラーの表示の明確化やFacebook等のSNS連携の導入など、入力時のユーザー負荷を下げることで、コンバージョンを増やします。

4. CROの手順は?

CROとしての手順は大きく分けて、4つの流れに分類されます。

◆CROの手順

0: 取得するデータの整備
1: 分析:改善インパクトの大きな箇所を特定する(初期分析、全体分析)
2: 改善インパクトの大きな箇所の課題を特定し、改善方法を検討する(課題抽出、施策立案)
3: 最適なCROの手法を実行する
4: 実行の結果を見て、更なる改善に向け次のアクションに繋げる(効果検証)

では、下記で一つずつ説明を加えていきます。

⓪: 取得するデータの整備

当社が分析をさせていただくにあたり、お客様にて分析に必要なデータを取得できていない状態がままあります。

例えば、

‣解析ツールの目標設定ができていない。※コンバージョンを計測していない
‣コンバージョンまでにドメインをまたぐのに、クロスドメイン設定ができていない
‣計測に不要なデータを除外できていない

このような場合には、まずデータを取得するための設定を行いましょう。

もう少し高度なデータ分析を必要としている場合、例えば顧客データなど他のデータベースにあるデータと連携させた分析をする必要があれば、個々のデータベースを連携させるための基盤を整理することから始めることが必要です。
弊社でも、こうしたデータ連携に関するご相談が増えています。以前の記事、CRMについての記事内(過去記事: 【CRMはデータ基盤設計から】ユーザーデータを正しく分析・施策実行・評価するためのデータ基盤設計のポイント)でも記載しましたが、データ取得の整備(データ基盤設計)を考える際には、以下のポイントを必ず押さえましょう。

POINT1: 結果として何をしたい?
POINT2: そのために必要なデータは?必要なデータの種類を考えましょう。
POINT3: それはどこで、どのように、どのタイミングで取得する?かを考えましょう。

この領域を整備するには、分析の知識のみに限らず、データベースの構造理解やデータ取得の方法理解が必要となりますので、外部の知見を借りながら進めていくことをお勧めします。
データの整備が進むと、本記事の内容となっているCROだけでなく、CRM、オフライン施策etc…様々な場面で利用が可能ですので、ぜひトライしてみてください。

①: 初期分析

CROを行うには、
WEBサイトのどこにどのような課題があるのか? を明らかにする必要があります。

その結果、改善すべきポイントが複数見つかることが殆どですが、
リソースにも予算にも限りがあるのが普通です。
どの課題をどの順番で改善するとコンバージョンに大きなインパクトを与えることができるのか、それを把握するための方法を当社では初期分析※(全体分析)と言っています。

※会社によってはこれを「現状把握」と言うこともありますが、当社はこの過程をサイト改善の最初の過程でやっておくべき特に重要なことであるという考えのもとに、「初期分析」と呼んでいます。

初期分析でもっとも重要なことはボトルネックの特定と課題の把握です。
それにはファネル分析を使います。
サイトの中をやみくもに改善するよりも、よりインパクトが出る場所に投資をしたいですよね。
ファネル分析とは、ユーザーがサイトに訪問してからコンバージョンするまでのプロセスのどこで離脱しているかを把握し、そこに対する課題抽出を行う分析方法。
一般的には離脱率の高い箇所を優先的に改善することで、より早く、大きな効果が出せると言われています。

ファネル分析の他にも、
・コンバージョンに貢献しているユーザーの分析
・コンバージョンに貢献をしているコンテンツの分析
などを行うことにより、良い部分と悪い部分の差分を見える化し、悪い箇所の改善方法として取り入れることも行います。複数分析を行うことで、要改善箇所の特定から課題の抽出まで行うことが、初期分析(全体分析)です。

初期分析で行なっていることまとめ

1: コンバージョンの過程でボトルネックになっている導線を見つけること
2: コンバージョンやKPIが向上する可能性が高いユーザーを見つけること
3: コンバージョンしたユーザーに効いているコンテンツやページを見つけること
4: 導線やコンテンツの改善対象の特定と、課題抽出をすること
5: 課題と改善方針について優先順位をつけること

特にこの初期分析に関しては、外部の専門家と共に進める会社も多く、当社にもご相談が多い内容となります。
理由としてはおそらく、定量的な根拠と第三者かつ専門的知見を元にした課題と傾向が得られるところにあるでしょう。これによって、他部署への説得材料となり関係者を巻き込みやすいということ、また、結果を基に社内で共通認識を持てるようになることなどが考えられます。

②:改善方針の提示と施策立案

初期分析でわかった改善箇所を具体的にどのように解決するか、施策を導き出すためのプロセスです。

ここでは、改善箇所の深掘り分析を行います。
改善箇所で離脱しているユーザーと離脱していないユーザーとの差分を見るなど、アクセス解析による深掘りを行う他、ヒートマップツールを用いて深掘りを行うプロセスを含みます。

ヒートマップツールは、ページのコンテンツがどのように見られているかを知ることができる分析ツールです。ページのどこまでをスクロールしたか、という読了率をみることができる他、ハンバーガーメニューを開いたか、アコーディオンを開いたか、というページのボタンや要素が意図どおり使われたか、といったページのデザインの良し悪しを判断する材料となるツールです。

ヒートマップツールについて詳しくは下記の過去記事をご参照いただければと思います。
「ふーん」で終わらないヒートマップ分析(前編)ユーザー行動を可視化!ヒートマップを使うべき2つのメリット
「ふーん」で終わらないヒートマップ分析(後編)事例で紹介!成果を出すためのヒートマップ分析2つのコツ

さて、ここで具体的な施策を決め、実行につなげていくわけですが、その施策には冒頭で記述のとおり、いくつかの方法を用いて行います。
当社ではABテストによる施策実行を推奨していますが、全てのお客様がそれに適している訳ではありません。
例えば改善箇所の改修にはシステムの影響が大きく困難であるといった場合には、接客ツールによる改善施策をお勧めすることもありますし、改善箇所は自部署の管轄ではなく、説得に時間がかかるといった場合は、できるところを先に行うといったことをお勧めすることもあります。
適切な施策と優先順位つけには、専門的知見のあるパートナーと一緒に行うとスムーズにいくことがありますので検討してみてください。

また、ABテストなどの施策実施時は、同時にその成果を検証可能になるようにすることももう一つの重要なポイントです。
次ページへの遷移率をあげたいのか、ページ内の読了率を伸ばしたいのか、その施策を評価する中間指標をあらかじめメンバー内で定義し、それを計測できるような各種ツールの設定内容を定義しておきましょう。

施策立案で行なっていることまとめ

1:ボトルネックとなっている箇所をさらに深掘りして分析すること
2:具体的な施策について、適切な方法を選択すること
3:施策の効果検証が可能な状態となる中間指標を定義すること
4:中間指標を計測できるツールの設定を定義すること

③:施策実行

施策を実行するプロセスです。
多くの会社では、ここから先は別の会社にアウトソースするなど、実行フェーズから当事者が変わることがあります。そのため⓪~②までの工程で決定した、そもそもの意図と違う設定や表現がされていないのか?等をきちんとチェックしておくことが必要です。

◆チェックポイント

‣やりたいことを意図したアウトプットになっているか
‣実施期間(実施するタイミングやながさ)は適切か
‣実施対象(ユーザーセグメント)は正しく定義・設定されているか
‣取得しなければならないデータは取れているか

具体的にどのような工程が存在するか?はABテストであれば、Google Optimizeですと過去の記事が参考になりますので、よかったら読んでみてください。(過去記事: 【2019年版】Google Optimize(グーグル・オプティマイズ)を徹底解説|無料で始めるABテスト)

施策実行で行なっていることまとめ

1: 立案した施策をWEBサイトに実装すること
2: 効果検証できる状態に各種ツールを設定すること

④:効果検証

施策の結果を評価するプロセスです。
最終的なコンバージョンの変化も追っていきますが、施策立案時に設定した中間指標の結果について確認しましょう。
なぜなら、トラフィックが多いサイトの場合や、コンバージョンルートが多数存在するサイトの場合は、コンバージョンレートの変化にあらわれにくい場合こともあるからです。
③で設定した中間指標を施策ごとに検証し、勝因と敗因を分析しておきましょう。

この結果を経て、ABテストで施策を実行し成果が良かったのであれば本実装を行います。
また、他の場所にも同様の施策を適用することができるのであれば、そこに対しても当該施策を実装することもあります。
仮に成果が良くなかった場合には、その施策自体の敗因を特定し、改善を施すという作業を繰り返していきます。

効果検証で行なっていることまとめ

1: 実装した施策の結果を定量的に把握すること
2: 施策の勝因・敗因を分析すること
3: 良かった施策はサイトに実装し、他の場所にも同様の施策が適用できるか検討すること
4: 悪かった施策は、さらに改善し、PDCAを回す、または他の施策を実行すること

いかがでしたでしょうか?

今回はCROを実行する上での全体像をお伝えしました。
これら各項目に対しての具体的な実行方法等も今後お伝えしていく予定です。

引き続きご愛読いただけますと幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます!

石川 敬三
株式会社UNCOVER TRUTH
代表取締役CEO

VOYAGE GROUP取締役、株式会社PeX 代表取締役などを歴任。その他アドネットワーク、比較サイト、辞書サイト等様々なBtoC・BtoB事業の立ち上げに従事。株式会社サイバーエージェントでは、広告営業を始め、大阪支社立ち上げ、メールマガジンサイトmelma等のBtoCサービスの事業責任者やEC事業の立ち上げ等に従事。

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