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小川卓が解説!ウェブサイトの分析プロセス3:改善案の洗い出し方

こんにちは。
UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)小川卓です。

前回の記事(小川卓が解説!ウェブサイトの分析プロセス2:仮説を元にウェブサイトを分析する)では、分析を行うにあたり、何を可視化したいのかを決めるための、仮説の洗い出し方・分析するべき内容を洗い出すところまでをご説明しました。

今回の記事では分析から得られた気づきを分類し、改善案を出す方法をご紹介していきます。


ウェブサイトを改善するための3つの気づき

ウェブサイトを改善するために得られる気づきは主に3種類です。

‣サイトの良い所を発見する
‣サイトの悪い所を発見する
‣特徴を見つける

この3つの気づきを活かすことが改善の基本です。

良い所があればどう伸ばすのか、悪い所があればどう直すのか。そして特徴があればそれをどう活かせるのか。という事になります。そこで皆さんが分析結果から得られた気づきを、まずはこの3つに分類してみましょう。

項目具体例
サイトの良い所を発見する・一覧ページで絞り込みを行うと、詳細ページへの遷移率が向上
・4つある特集の中で、特集Cが最もコンバージョン率が高い
・リスティングとバナー広告では前者の方が獲得あたりのコストが安い
サイトの悪い所を発見する・Aというランディングページの直帰率は82%とサイト平均や他のランディングページと比較して高い
・メールマガジンの流入は多いが、全くコンバージョンに貢献していない
特徴を見つける・毎週木曜日の夕方が最もサイトへの流入数が多い
・商品詳細ページの閲覧ページ数が増えるとコンバージョン率が上がるが、閲覧ページ数が5件以上だと変化が無い
・夏服はゴールデンウィーク明けから検索回数が一気に伸びる

改善案を考える上で、もっとも優先順位が高いのは

「(影響人数が多い)悪い箇所を改善する」

ということになります。

1つは 「サイトの悪いところ」を改善する際に、サイト内にある他のページが参考になる というのが、その理由です。

例えばランディングページが5つあり、その中の1つの直帰率が高い場合、他の4つのランディングページが参考になります。他の4つのランディングページと直帰率が高いランディングページでは、ページ内における要素やレイアウトが違うかもしれません。あるいは、流入元のクリエイティブや広告の流入比率が違うかもしれません。

このように改善のヒントを他のページを見ることで探すことが出来るため、比較的対策が見つけやすいです。

もう1つは 「失敗確率が低い」 ということです。上記の気付きから続く内容ですが、ビジネスにおいて大切なのは失敗確率を下げることです。それは施策を実行するための時間や予算は、限られていることが多いためです。良いページを更に伸ばすというのは難易度が高く、傾向に関しても必ずしもすぐに活かせるとは限りません。まずは悪いところから手をつけましょう。悪いページや箇所を直さないと、良いページに辿り着いてくれる人数も減ってしまいます。

具体的な改善案の考え方

改善案そのものはどのように出せばよいのか?施策の事例をたくさん持っているとよい領域ではあるのですが、オススメの方法を1つ紹介いたします。それは「仮説をもって同業他社と比較する」という事です。前回や前々回でも仮説の大切さをお伝えしていますが、やはり改善案を考える上でも仮説は欠かせません。

単純になんとなく同業他社を比較しても意味がなく、分析をして得られた気づきの部分をピンポイントで確認することをオススメします。

例えば、物件情報を掲載しているサイトで、物件詳細ページからの離脱が高い事が課題だとしましょう。その時には複数の同業他社の物件詳細を見てみましょう。一番右側の「キャッシュバック賃貸」が自分のサイトだとした時に、こちらのサイトのみ「パン屑リンク(ページ上部にある、現在位置が分かるリンク)」が無いことが分かります。

■SUUMOと住SEEにはあるが、キャッシュバック賃貸にはパンくずリンクが無い

なぜパンくずリンクが必要なのか?例えば検索エンジンから訪れた人の動きを考えてみましょう。検索エンジンから物件詳細に訪れました。ファーストビューで値段や写真を見て「これはちょっと違うな」と思った後の行動です。

物件を探している人は、同エリアで探している可能性が高いです。その時にパンくずリンクがあれば、そちらを利用してもらうことによりサイト内で他の物件を探してもらうことが可能です。

しかし、キャッシュバック賃貸の場合はパンくずリンクが無いことにより、サイトを離脱してしまう可能性が高いです(結果、直帰となってしまう)。そしてその後にどのような行動をユーザーがとるかというと、多分検索結果の次の順位のリンクをクリックするでしょう。そうすると、当然この飛び先は同業他社になってしまうわけです。つまり有望なユーザーを同業他社に渡してしまうという事にもつながるわけです。これは非常にもったいないです。

また「お問い合わせボタン」もキャッシュバック賃貸は情報量が少なく、どういったお問い合わせをすれば良いのかがわかりません。またお問い合わせ方法も記載されていないため(メールなのか電話なのか)躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか?SUUMOは無料の表記やメールのアイコン、お問い合わせ出来る内容を記載しています。

このような改善のヒントが見つかれば後は実行するだけです。例えば以下のような変更が良いでしょう。

得られた気づきを元にパンくずリンクの追加、ボタンの見せ方などを変えています。実際に改修後、直帰率や離脱率を10%近く下げることが出来ています。

大切なのは事例では無く考え方

ここで紹介をした施策自体は重要だとは考えていません。事例の紹介はどうしても、「業種が違うから」とか「サイト規模が」みたいな話になりがちです。ここで大切なのは、まずは分析をしっかり行うという事です。

分析を行う事で課題が見つかり、その課題に基づいて同業他社を比較して改善案を出すという事です。このプロセス自体を知っていただく事が大切です。同業他社をこのように使うもう1つのメリットとして、改善提案資料を作りやすいというのもあります。同業他社のスクリーンショットがあることによって、意思決定者に理解をしてもらいやすくなります。

他にも改善案の出し方は色々ありますが、まずはこのプロセスを活用いただくと、高確率で改善案を出すことが出来るようになります。

まとめ

今回は分析から得られた気づきを分類し、改善案を出す方法を紹介してきました。次回は改善案を実行する際のABテストに関しての考え方を紹介します。どういったシーンでABテストは利用するべきか?必要なデータ量や評価方法などについても触れていきます。お楽しみに!


小川 卓
株式会社UNCOVER TRUTH
CAO(Chief Analytics Officer)

Webアナリストとしてマイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンジャパンなどで勤務。解析ツールの導入・運用・教育、ゴール&KPI設計、施策の実施と評価、PDCAをまわすための取り組みなどを担当。全国各地で講演を毎年40回以上行っている。デジタルハリウッド大学大学院客員教授。 主な著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。


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