MA(マーケティングオートメーション)とCDPの役割の違いについて

目次
1導入
近年、デジタルマーケティングの分野では、マーケティングオートメーション(MA)とカスタマーデータプラットフォーム(CDP)の活用が重要視されています。これらのツールを適切に使い分けることで、マーケティング施策の精度を向上させることが可能です。
本記事では、MAとCDPの基本的な違いと、それぞれの役割を詳しく解説し、適切な活用方法について紹介します。
MA(マーケティングオートメーション)とは
定義と役割
マーケティングオートメーション(MA)は、マーケティング施策を自動化するためのツールです。
主な機能
- メール配信(ステップメール、リターゲティングメール)
- スコアリング(顧客の行動データをもとにスコアを付与)
- キャンペーン管理(広告や施策の実行)
活用シーンとメリット
MAを導入することで、顧客ごとのメール反応に基づいた施策が可能になり、マーケティングの自動化を実現できます。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは
定義と役割
CDPは、顧客データを統合し、一元管理するためのプラットフォームです。
主な機能
- データ統合(Web、アプリ、オフラインデータを一元化)
- セグメント作成(施策のターゲットを抽出)
- リアルタイムデータ処理(最新のデータに基づくアクション)
活用シーンとメリット
CDPを活用することで、より精緻なターゲット選定が可能になり、施策の効果を最大化できます。
[CDPとMAの特徴比較表]
項目 | CDP(カスタマーデータプラットフォーム) | MA(マーケティングオートメーション) |
目的 | 顧客データの統合と管理 | マーケティング施策の自動化 |
データの扱い | 複数のチャネルからデータを統合・管理 | 施策を実行するためのデータを活用 |
主な機能 | データ統合、セグメント作成、リアルタイム処理 | メール配信、リード管理、スコアリング |
使い分け | 顧客データの整理・分析に重点を置く | 施策実行に重点を置く |
施策実行におけるMAとCDPの役割の違い
では、施策実行という観点からMAとCDPの役割の違いを見るとどうなるでしょう?
MAとCDPの詳細な役割
【CDPの役割】
CDPは大量のデータを蓄積・処理するのに適しており、以下の役割を担います。
- 施策の起点となるセグメント情報の生成
- レコメンドのためのデータ生成
CDPを活用することで、よりターゲット精度の高いマーケティング施策が可能になります。
【MAの役割】
一方で、MAは以下のような施策実行に重点を置いた役割を担います。
- CDPから渡されたセグメント情報をもとに素早くターゲットを抽出
- 配信後の追加アクション(開封有無による出し分け、フォローアップメール)
MAはリアルタイムで施策を実行するツールとしての役割が重要です。
MAとCDPの適切な使い分け
このような特性を踏まえると、
- 施策の起点となるセグメントデータはCDPで生成
- CDPのデータを活用してMAで施策を実行
という形で使い分けることが理想的です。
CDPのデータを活用してセグメント配信を行い、配信後のユーザー行動に基づいたアプローチはMAで実施することで、より精度の高いマーケティング施策が可能になります。
まとめ
- MAはマーケティング施策の自動化、CDPは顧客データの統合・管理が主な役割。
- CDPは施策の起点となるデータを作成し、MAはそれを活用して施策を実施する。
- 適切な使い分けをすることで、より効果的なマーケティング施策が実現可能。
CDP・MAの導入を検討している方は、ぜひご相談ください!

この記事を書いた人
米村 建城(よねむら たてき)
コンサルティンググループ
アナリストチーム リーダー
2020年にUNCOVER TRUTHに入社。Google AnalyticsやAdobe Analyticsを活用したCRO(コンバージョン率最適化)のアナリストとして数多くの案件を担当。現在は、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)内のワークフロー設計などのデータ基盤の整備に加え、CRMに基づく顧客分析から施策提案までを幅広く担当。