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今改めて理解しておきたい、WebマーケティングにおけるPDCAとは?

※読了時間(5~7分)

こんなお困りをお持ちのご担当者様へ
・Webマーケティング施策のPDCAがうまく回せない
・計画・実行はしてみるが、いつも施策の効果検証があいまいになる
・どの部分をどう改善すればいいのか見失いがち

この記事を読むと知れること
・WebマーケティングにおけるPDCAの基本の考え方
・PDCAサイクルを回す上で重要なポイント
・PDCAがうまく回らない要因とその対策


こんにちは。株式会社UNCOVER TRUTH CEOの石川です。
PDCAという言葉は、現在では広く一般的に使われる言葉となっていますので、これを今お読みいただいている皆様も、内容をすでに十分にご存知だったり、実際に日々実行されていることかと思います。とはいえ、実際やってみると中々スムーズにいかなかったり、いまいち効果をつかめなかったりという話をお伺いする機会もよくあります。

PDCAは理解していても、
実際にWebマーケティングにそれを適用してみると実際どのようなサイクルになるのでしょう?
今回はWebマーケティングにおけるPDCAにフォーカスして、
それを使うメリットとPDCAがうまく回らない要因や対策について少し記載させていただきます。

1:改めてPDCAとは何でしょう?

PDCAとは、さまざまな活動(仕事)において、その活動を円滑に進めていくための手法の一つです。

PDCAの文字はそれぞれ、
・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)
を表しています。

一般的にPDCAは、
1つの活動を上記4つのカテゴリに分けて、
それぞれのカテゴリを的確に実施していくことで
その活動を効率化しながら、目的・目標に向けた成果の最大化に向けていくことを表しています。

1:Plan(計画)
活動の目的(ゴール、KGI)や目標値(KPI)を決めてから、
この目的や目標を具体的にどのような活動で達成していきましょうか?といった行動内容を決めていきます。これを計画(Plan)と呼んでいます。

2:Do(実行)
次に、Plan(計画)で決めた施策(行動内容)を実行(Do)していきます。

3:Check(評価)
Plan(計画)で決定した目標と行動内容が計画通りに運んでいるかどうかのCheck(評価)を行っていきます。実行している途中や実行完了時に定期的にCheck(評価)を行っていき、計画に対して良かった点、悪かった点の原因を調べていきます。

4:Action(改善)
3:Check(評価)で調べた結果に対して、必要があればさらに良くするための計画を立てていきます(Action)

くり返しになりますが、このように
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)と分けて、
その活動を目的・目標に向けて円滑に推進していくことで成果の最大化へ向かっていくのがPDCAの考え方です。

2:では、WebマーケティングにおけるPDCAとはなんでしょう?

冒頭にもお話させていただいた通り、
PDCAサイクル自体をわかっていても、日々の実務に役立つものとして使っていけるかどうかは少し異なります。

では、そもそもWebマーケティングにおけるPDCAとはなんでしょうか?

Webマーケティングの活動は大きくわけて下記に分類されます。

Plan(計画)
・可視化→ビジネスの目的・目標達成及び判断に必要なデータ(KPI)を可視化(確認できるように)する。
・分析方針・優先順位の決定→右脳による仮説ではなく、改善可能性の高いポイントや
ユーザーをデータから洗い出し、どこから手をつけた場合に、効果が高いかをデータドリブンで決定する。

Do(実行)
・実行→単純な実行を行うのではなく、
1:振り返ることができるデータを必ず取得しておく。
2:その実行がある場合とない場合の比較ができるテストを実行する。

Check(評価)
・振り返り→実行結果を分析する。仮説通りなのか?成果を下げた要因はどこにあるのか?反対に成果を上げた要因はどこなのか?など。
※振り返りの際に出たナレッジを溜めていける環境整備も重要になります。
※ここでの知見を次の施策に活かすことで、より成果の出やすいサイクルを作り出せるようになります。

Action(改善)
・評価をもとに、路線変更が求められるのか?成果を下げた要因に対して改善施策を行うのか?成果を上げた部分をよりよくするのか?などの改善を行う。

書いてしまうとシンプルですが、
昨今のWebマーケティングで扱うデータは、サイトの解析データ、オンオフのデータ、
SNSのデータ、MAツール、CRM周りのデータなど多種多様になっています。
それに加えて、上記の様々なデータは必ずしも1部門、1か所で管理されているとは限らず、結果への関連性や与えた変化を追えているとはいいがたい状況も多く見られます。

記事の冒頭でも少し触れていますが、PDCAサイクルを使うメリットは、
ビジネスの目的・目標の達成に向けて、計画→実行→評価→改善というサイクルを使用して効率的に実行できる点です。

WebマーケティングのPDCAを実行するための土台として、重要となってくるのが計画(Plan)の部分、特に「可視化」の作業となります。目的・目標(KGI)を達成するために、計画した様々な活動(仕事)を評価するために必要な、中間ゴール(KPI)を設計し、計測可能な状態にしておく必要があります。

WebマーケティングにおけるPDCAに必要なことを
とてもシンプルにお伝えすると・・・

・PDCAの順番通り、実行(Do)の前の計画(Plan)が特に重要です。それは、後半の評価(Check)と改善(Action)に大きな影響を与えます。

・計画(Plan)の中では特に、的確に評価(Check)し、改善(Action)を行うための中間ゴール(KPI)設計とKPIの結果を判断するためのデータの取得が重要です。

・PDCAサイクルをより効果的にしていくために、評価(Check)で出たナレッジをしっかりと溜めて置ける環境整備が重要です。

となります。

3:WebマーケティングのPDCAがうまくまわらない要因とその対策

よくあるのが、Check(評価)の時点になってはじめて、
「あ、測定できていない指標だ・・・仕方ない、いったんそこは無しでいこう」というケースです。

実行した後で気づくようなことがないように、なるべく目的・目標(KGI)だけでなく、
中間のゴールに当たるKPIについても,どのように計測し、どう評価するべきか?を計画設計の段階で盛り込んでおきましょう。
特にWebマーケティングにおいて必要なのに取得できていないデータは、実行時のイベントデータです。
広告においてもWebサイトにおいても実行部分の開封、クリック、画面をどこまでみたのか、どのコンテンツに着目したのか、滞在時間などのデータを取得できてるようにしているかどうかが大きなポイントになります。
場合によっては目的・目標達成のために必要な情報を可視化するには、今の状態だけでは足りず、適切なツールの導入検討をする必要がでてくることもあります。

目的・目標(KGI)達成に必要な中間ゴール(KPI)の情報を揃えたレポーティング環境を用意しておかないと・・・

「目標をたてて、実行までしたけど評価はしなかった」
「評価しただけで改善をしていない」
「きちんとした評価が行われてないまま、改善をして失敗した」

などと後ろに続く、
Check(評価)とAction(改善)が機能しなかったり、効果が弱まってしまいます。
さらに、このCheck(評価)で出てきたナレッジをうまく溜めておけないと、また同じようなことを繰り返してしまう要因となりますので、注意が必要です。

うまくいっていない状態に共通して見られる傾向として、下記があるように考えております。

「目的・目標があいまいに設定されているため、社内&社外の代理店やベンダーで目的認識にずれがある」
「施策ありきで、そもそも目的・目標を達成するための中間ゴール設定(KPI)が不十分になっている」
「活動結果を評価するための情報を定点で確認できるレポーティング環境整備ができていない」
「評価した行動結果に対して、改善施策に対する議論が十分に行われていない。もしくはその機会を設けていない」

実際、どのような計画が存在するか?をすごくシンプルに、
Webサイトでのコンバージョン増加を例に考えてみたいと思います。

サイト全体でセッション数やPV数を指標つまり、
流入周りで〇〇%増やして、既存のコンバージョン率は維持して売上目標〇〇円を達成しましょう。
という目標があったとします。

ただ、もう少し掘り下げてみていけば、

・流入はどのチャネルを増やすことで、そのコンバージョン率が維持される想定なのか?
・成果の高いチャネルと並行して、コンバージョン率を改善すべきチャネルはないのか?
・そのチャネルからの流入は、サイト内のどの箇所を改善するとコンバージョン率の向上が望めるのか?
・デバイスは、PC?SP?
・そもそも、そのチャネルの流入数は計画期間内に増やせるものなのか?
・流入を改善するよりも離脱を改善したほうが影響度が高いのでは?
・実はCVユーザーの5割はAというコンテンツに接触しているので、より多くのユーザーに接触を促しては?
・それはリピートユーザーの単価をどのぐらい上げて、新規をどのぐらい獲得すれば達成できる?
etc

見るべきポイントは多岐に渡り、選ぶ指標により
打つべき施策、その次に打つべき施策も変わってきます。

仮に、流入を〇〇%だけ増やす!だけを中間目標(KPI)にしてしまっていたら、

目標に未達成の場合に、

「あれ?、これってSPの方がもともと良かったんでしたっけ?」
「ん、流入目標は達成したけど、コンバージョンが達成できないのはなんででしょう・・・」
「これどこが悪かったから達成できないんでしょうね・・・」
「単価自体は上がったけど、新規流入が少なくて、思ったほどスケールしなかった・・・」
etc

どの部分をどう改善すればいいのか?を見失ってしまいがちになってしまいます。
そのために、また全体を調べなおさらなければならないかもしれませんし、よくわかっていない状態で次の施策へ移行してしまうかもしれません。
目的は施策を実行することではなく、あくまで売上〇〇円に上げるという事ですので、それを達成するために、分析し、シミュレーションし、適切な評価・改善を行えるようにレポーティング環境の整備が求められます。

分析や評価するためのデータが不十分になると、
せっかく評価(Check)からの改善施策(Action)を設定していく会議を設けても、その情報を調べなおす時間になり、次の実行がどんどん後倒しされていきますので、適切なサイクルでPDCAが回らなくなっていきます。

加えて、施策を実行するには制約条件があるので、
限られた時間やリソース、予算の中で、たくさんある課題の中でどこから実行していくことが目的達成に最善なのか?も加味して考える必要があります。

PDCAのメリットは、
仮に進捗や達成率が振るわなかった場合、
どの段階のどこに課題があり、それはどのような施策(仮説)をもって解決できるのか?
といったサイクルを、より具体的に動かす事が可能となる点です。

弊社では、お客様とご一緒させていただく際、PDCA実行を阻害する課題を解決するために、
・ユーザー動向を測るための判断軸になる数値を定義する
・しっかりシミュレーションした上で中間ゴール(KPI)を設定する
・お客様のビジネスゴールの情報や達成に必要な様々な中間ゴール(KPI)のデータを日々定点で確認できるサマリーシート(弊社では戦略シートと呼んでおります)を用意する
・その戦略シートをもとにした定例MTGをお客様と定期的に実施する
を、都度ヒアリングをしながら行います。
効果的によりビジネスゴールに近づくためのPDCA体制を構築し、新しいご提案や施策実行のお手伝いを、時には伴走、時には代走させていただいております。

今回は、WebマーケティングのPDCAについての概要のお話をメインにお話させていただきました。
日々当たり前に行っている活動でも、なかなかそれをうまく活用できていなかったり、その課題に気づいていても様々な事情で対処できていないこともあるのではないでしょうか。

しっかりとPDCAを実行するには、
ビジネス上のゴールに向けて必要なKPIを定点で追いながら、それらを評価分析し行動結果をよりよく改善していくためには定期的な振り返りと議論が必要となります。また、改善案を出しやすい環境整備も重要です。しかし、そもそもやり方がわからなかったり、そのリソースがなかったりで、PDCAの効果がしっかりと発揮されずに「やらなければよかった」という良くない状態になってしまうこともありますので十分に気をつけたいものです。

次回は、CRMとクラスタリングについてお話させていただければと思います。
今回の内容の続きとして、前述の弊社戦略シートを活用した、より具体的で効果的なWebマーケティングにおけるPDCAについての記事も今後ご紹介させていただきますのでご期待ください。

またお時間あるときにご覧いただけますと幸いです。

石川 敬三
株式会社UNCOVER TRUTH
代表取締役CEO

VOYAGE GROUP取締役、株式会社PeX 代表取締役などを歴任。その他アドネットワーク、比較サイト、辞書サイト等様々なBtoC・BtoB事業の立ち上げに従事。株式会社サイバーエージェントでは、広告営業を始め、大阪支社立ち上げ、メールマガジンサイトmelma等のBtoCサービスの事業責任者やEC事業の立ち上げ等に従事。


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