CDP構築から始めるデータ活用と組織変革|株式会社サザビーリーグ様のデータ活用支援事例

目次
導入
この記事はこんな悩みにお答えします。
💡この記事のポイント
- サザビーリーグ様の課題: 複数事業に分散した顧客データ、データ活用の停滞、CRM施策の実施の難しさ
- サザビーリーグ様で弊社が取り組んだこと: グループ横断のデジタルマーケティング推進、CRMデータ基盤の構築とBI・MAツールとの連携
- サザビーリーグ様の成功の鍵: データの統合と分析の内製化をご支援
多様なブランドの顧客データを統合するには、全社的な視点でのデータ基盤の構築が大切です。なぜなら、顧客データはブランドごとに異なり、一元管理しないとLTVの向上やクロスユースの促進といった施策が打てないからです。
今回は、複数事業の顧客データ活用に悩むマーケティング担当者へ向けて、サザビーリーグ様の事例を参考に、分散した顧客データを統合し、事業横断のCRM施策を実現する方法について解説します。
本記事を読むことで、「自社のデータ活用の課題」を解決するヒントを得られます。「データドリブンなマーケティング体制」を構築したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
皆さんの会社では、CRMを活用した顧客データを十分に活用できていますか?特に複数のブランドや事業を展開している企業では、顧客データがそれぞれのシステムに分散しており、全体像を把握するのが難しい、といった課題に直面することも多いのではないでしょうか。このような課題を解決し、LTV(顧客生涯価値)を向上させるためには、データの統合が不可欠です。
今回は、アパレル、服飾雑貨、生活雑貨、飲食、ビューティなど、ライフスタイルの全てにわたる多様なビジネスを展開されているサザビーリーグ様にUNCOVER TRUTHがどの様にご支援をさせて頂き、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の構築を含めたデータ活用を推進していったのかご紹介したいと思います。
サザビーリーグ様は1972年創業、現在40を超えるブランドを展開しており、連結売上高は約1004億円(2024年3月期)に上ります。「Ron Herman(ロンハーマン)」「Afternoon Tea(アフタヌーンティー)」など、多くのライフスタイルブランドを展開しております。
サザビーリーグ様が直面していた大きな課題
サザビーリーグ様は、その事業の多様性ゆえに、いくつかの大きな課題を抱えていました。
①全体としてのデータ活用が進んでいない
ブランドごとにターゲット顧客が異なるため、ブランドを横断したシナジーを生み出すことが難しい状況でした。かつてはモール型のオンラインストアを運営していましたが、各ブランドの世界観が違うため、ブランドをまたいだ買い物体験が生まれにくく、モールは閉じることになりました。さらに、各ブランドが個別に顧客管理システムを利用していたため、顧客データが分断されていました。もともと、データの基盤はあったものの、CRMの基盤がまったくなかったため、まずは基盤の構築からスタートする必要がありました。
②どのような施策を実施していいのかわからない
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入しているブランドはあったものの、「施策数が伸ばせない」「どのような施策を実施していいのかわからない」という課題がありました。また、顧客の離反傾向、リピート率や維持率の低下、買上会員数の減少など、ビジネス上の重要な変化について、その原因特定ができていない状況でした。LTVの低下も懸念されていました。
課題解決の為に実践したこと
これらの課題を解決するために、グループ横断でデジタルマーケティングを支援、共通化できるシステムをグループに提供するDX推進室を立ち上げ、CRM、分析領域、EC・広告運用の領域、SNSマーケの3領域に分かれて各ブランドを支援しております。
「1つの傘に入れないほど個性的なブランドの集まりであることが、サザビーリーグらしさ」と捉え、ブランドそれぞれの個性を最大化しつつ、共通化できる部分は最適化してDX化を進める方針を取りました。特に、データ活用などのデジタルマーケティングのノウハウは共有・活用する方が、全体利益に寄与すると考えました。このDX推進室にUNCOVER TRUTHは寄り添い支援させて頂きました。
実施内容①:CRMデータ基盤の整理・再構築、MA・BIツール連携
ブランドごとに異なっていた顧客管理システムからデータを取り出し、統合したデータベースを構築しました。この統合データベースのデータを活用したCRMデータ基盤作りに取り組みました。このデータ基盤には、Web行動データ、POSデータ、ECデータ、顧客管理システム、購買管理システムなど、多様なデータソースからの情報が集約されました。構築された共通のデータベースは、MAツールやBIツールと連携し、MAツールは導入ブランドが複数あったため、そこへデータを送れるようにすることも目指しました。
【データベース構築図】
実施内容②:データ活用環境の構築
●KPIツリーの作成支援
売上目標からブレイクダウンしたKPIツリーをブランドごとに作成し、KPI達成のための施策を明確化しました。KPIの結果と具体的な打ち手を紐付けることで、課題の特定と対策の実行を容易にしました。
●BIツールを活用したダッシュボード作成支援
分析結果を可視化するため、「Tableau」や「Power BI」などのBIツールを用いて、共通レポートやブランドごとのニーズに合わせたオーダーメイドの分析レポートを作成しました。具体的には、CRM分析、年度間の継続利用分析、会員ランク別分析、購入頻度別商品分析、顧客カルテなどのレポートを提供しました。
【KPIツリー(イメージ)】
【BIダッシュボード】
実施内容③:運用体制の見直し
●データドリブンなCRM実行PDCAの確立支援
データに基づいたCRMを実行し、PDCAサイクルを回していくための仕組み作りを支援しました。カスタマージャーニーマップを作成し、各段階での施策の実行状況を整理することで、具体的な施策の検討を支援しました。
●データ分析手法のレクチャー
DX推進担当メンバーに対し、CRM分析の手法をレクチャーし、内製化を支援しました。UNCOVER TRUTHの支援を受け、基盤データの構築からCRM分析のレポート作成・分析まで、社内で運用できるよう内製化が進みました。
【CRMのPDCA型化】
【DX推進3ヵ年計画】
これらの取り組みで得られた結果
データ基盤の構築から運用支援まで一貫した取り組みにより、サザビーリーグ様ではデータ活用が促進されました。DX推進室は、グループ横断でデジタルマーケティングを支援する役割を担い、各ブランドが考えている戦略や戦術の支援を行いました。
•MAツールの活用促進
施策として何を実施していくかが明確になり、MAツールを活用したPDCAを早く回せるようになりました。
•課題の早期発見と対策の実行
KPIツリーとBIダッシュボードにより、売上や顧客行動の課題を早期に発見し、具体的な対策を講じることが可能になりました。例えば、「買上日数」や「転換率の低下」といった課題に対して、「買上回数を増やすための施策」を検討できるようになりました。店舗ごとに重要度の高いKPI評価一覧も作成し、課題が見えたら該当店舗に伝える支援をDX推進室が行っています。
•データに基づいた意思決定の実現
各ブランドの状況を詳細なデータに基づいて把握できるようになったため、より効果的なマーケティング施策の実行や顧客体験の向上が期待できるようになりました。
•CRM分析の内製化
弊社支援により、データ基盤の構築から分析、レポート作成までを社内で運用できる体制が整いました。
•クロスユース率の増加、1人あたりの買上金額の上昇
•CDPデータを活用した1to1コミュニケーションの実現
顧客をクラスタ分けし、行動特徴を捉え、例えばF2転換施策としては購入商品に合わせた初回購入後の商品レコメンドを実施するなど1to1コミュニケーションが実現されました。LTV向上にもつながっています。
まとめ
サザビーリーグ様の事例は、複数の顧客管理システムにデータが分散しているという課題に対し、共通のデータ基盤をゼロから構築し、それを分析ツールや施策実行ツールと連携させることが重要と考えています。これにより、分断されていた顧客データを統合して顧客一人ひとりの全体像を把握できるようになり、それを基にしたデータに基づいた意思決定や施策実行が可能となります。各ブランドの個性を尊重しつつ、共通基盤でデータ活用ノウハウを共有するというアプローチは、多ブランド展開企業の参考となるのではないでしょうか。結果として、クロスセル・アップセルの促進やLTVの向上といった成果につながる可能性が期待できます。
また、サザビーリーグ様のDX推進室は、2025年4月に事業会社として分社化し、「株式会社サザビーリーグ アウルスケープ」として、社内外へのデジタルマーケティング支援を展開されています。これは、データ活用やDX推進の内製化支援で培ったノウハウが高く評価されている証と言えると思います。
もし、貴社でもデータの分断やデータ活用に課題を感じていれば、サザビーリーグ様のように、データ基盤の整備から着手し、分析・活用体制を構築していくことが、重要になると思います。ですが現実的に「どうやって実施していいかわからない」と言う事であれば弊社が1からお手伝いさせて頂きます。まずはご相談下さい!

この記事を書いた人
杉村 研一(すぎむら けんいち)
セールス&マーケティンググループ セールスチーム リーダー
イベント運営・管理、広告代理店での営業・制作業務、業務委託プロジェクトでのリーダー経験を経て、2016年に株式会社UNCOVER TRUTHにJOINしました 。同社では、入社当時は自社ツールやアクセス解析を用いたUI・UXの改コンサルティングの営業、2020年頃よりCDP・CRMコンサルティングの営業として従事。新規開拓、アライアンス・代理店開拓を推進。
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