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マーケティングデータ基盤構築の4つの手順。2.データをつくる

この記事では、 マーケティングに活用するためのデータ基盤構築の 「4つの手順」の中で、あつめたデータから顧客IDをキーにして、顧客一人ひとりのデータを紐付けるプロセスである「2.データをつくる」について書いています。

今記事におけるマーケティングデータ基盤とは、CDP構築だけではなく、その後のマーケティング施策やツール連携を意識したデータ構築や方針策定を含んだ環境基盤を指します。


マーケティング基盤構築の「4つの手順」
データをあつめる(別記事)
・データをつくる(この記事)
サービスをつくる(別記事)
コミュニケーションをつくる(別記事)


データをつくる(データを統合する)

社内に分散していたデータを集めてから、顧客IDをキーにして、顧客一人ひとりのデータを紐付ける作業がこのプロセスです。顧客理解を目的とした、カスタマーデータをより強固にしていくデータ統合作業になります。

例えば、顧客Aさんが・・・

・ブランドサイトで、いつどんなコンテンツに接触した?
・ECサイトで、いつどんな商品を検索した?
・さらに店舗で、いつどんな商品を購入した? etc

上記のような、顧客に紐づく行動データが統合されていけばいくほどに、後の分析やそれに基づく方針判断をしてくための大きな元が出来上がっていきます。

あつめたデータはCDPだけで統合することも可能ですが、データウェアハウス(DWH:Data Ware House)とCDPを組み合わせる方法も多用されています。すでに自社で採用されているDWHと組み合わせることで、コストメリットを生み出せます。多くのCDPはクラウドで提供されていますので、データ量が膨大になりストレージのコストを圧迫することが多くあります。それを抑えるために。例えばCDP側はマーケティングに必要となる最低限のデータ量で設計することで、コストを抑えられます。

さらに、BIツール(Business Intelligence)とCDPを連携して、必要な情報を定常的かつ瞬時に見られるダッシュボードを構築することで、カスタマーデータの活用をより加速させられます。『データ統合』×『BIでの可視化』は、単純な売上管理を見るためのものだけではなく、顧客の状態や変化、施策による変化などの把握にも大きな役割を果たしてくれます。顧客に焦点を当てたデータを可視化することがCDPを活用したユニークな価値となります。※データ可視化についてはこちらも併せてご覧ください。

▼ 『データ統合』×『BIでの可視化』で見るカスタマーデータ▼

  • ロイヤルティのランクが上がった顧客が日別でどのくらい増えたのか?
  • CRM施策を実行したことで活性化したユーザーはどのくらい増えたのか?
  • 休眠顧客が日別でどのくらい増えたのか減ったのか?
  • 日々のマーケティング施策が顧客に受け入れてもらえているのか?
  • 顧客体験価値を高める効果のあるCRM施策はどの施策なのか?

上記のようなBIダッシュボードが出来ると、社内の様々な人が、顧客の真実の姿を閲覧できるようになります。刻一刻と変化する状態をリアルタイムの数値で確認・評価できるようになれば、社内が共通認識をもった状態で進むことができるようになり、より顧客起点で考え、施策を実行しやすくなります。「データを統合する」と「BIによる可視化」は企業が取り組むマーケティング施策を正しく評価するために、必要で欠かせない手段となっています。

ダッシュボードを見ながら社内での会議しているイメージ
【ダッシュボードを見ながら社内での会議しているイメージ】

データをつくる(追加取得する)

すでに持っている既存のデータとは別に「更なるデータ」を追加することがあります。下図の人材要件に書いていますが『カスタマージャーニー設計』と『データプランニング』がこれにあたります。重要なマーケティング視点となるため、一つ例をとって解説を加えておきます。

マーケティング基盤講構築のプロセスと必要な人材要件
【マーケティング基盤講構築のプロセスと必要な人材要件】
出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:38

例として、新築一戸建て・分譲住宅の販売をしているハウスメーカーを想像してみてください。

運営する自社サイトを訪れて住宅展示場やモデルルームへの商談予約をした顧客のデータがあるとします。顧客の行動データには「間取り」「建材」「工法」「オプション」「エリア」「価格」「住環境」「学区」などの情報を閲覧していたWebログがデータとして蓄積されています。
ここで、価格レンジを絞り込み検索したり、エリアの路線や駅を絞り込み検索したりしたデータがあれば顧客の「興味関心軸」がどこにあるか想定できます。閲覧回数や絞り込み条件により「購入の真剣度合い」まで推し量り、スコアリングするシステムも構築だって実現できます。

これらのデータから作成された顧客カルテが出来ていれば、営業担当者は商談の成約率を引き上げる作戦を事前に練って当日を迎えられます。こういった成功体験を繰り返すと、さらに「追加したい情報」が出てくるようになります。

▼顧客カルテに追加したい情報▼

  • 土地を持っているのか?
  • 新規購入なのか?
  • 買い替えなのか?
  • 親の資金援助はあるのか?

このような更なる情報が事前にあれば、より顧客の解像度が上がり、商談準備も捗ります。仮にこの核心に迫る情報を、対面だけで聞き出すには長い商談時間を要することは想像に難くありません。コミュニケーションスキルを駆使して顧客との信頼関係を構築し、核心の質問をする機会を伺うことになります。初日では聞き出せないこともあるでしょう。商談回数が増えるということは競合他社に奪われるリスクが増すだけでなく、営業担当者のアポ電話やメール連絡など、多くの工数を消費することになります。

顧客カルテを見ている担当者のイメージ
【顧客カルテを見ている担当者のイメージ】

実際、情報取得自体のプロセスをデジタル側の仕組みで解決する方法があったとしたらどうでしょう?実際の活動に活かすために必要なデータや情報とは何か?ここのプランニングこそが「データをつくる(追加取得する)」プロセスで重要になります。

では、実際に不動産サイトの中で、これらの情報を顧客からさりげなく引き出す仕組みを考えてみましょう。顧客視点で考えてみると、重要なことに気づく瞬間があります。顧客にとってはこれらの情報を営業側から引き出されるために、貴重な週末の時間を住宅展示場での商談に割くことになります。

顧客は、その貴重な時間を営業側の売り込みばかりに使われる苦痛を避けたいのでは?と考えて「住宅購入の前に知っておきたいこと」という便利コンテンツをサイト内に開設したとします。新規購入の方はこちら、買い替えの方はこちら、住宅ローン借り入れの前に知っておきたいことはこちらなど、顧客にとって事前準備を便利にする学習コンテンツをアンケート形式で整備するのです。顧客にとっては、事前知識を仕入れられる有用な情報でありながら、設問を進めることで実は顧客カルテに核心に迫る情報が自動的に蓄積されることになります。

このように、既存のルールを革新する追加データ取得のプランニングと、既存・追加を含めたデータの統合が『データをつくる』プロセスの役割です。これからの時代、デジタルコミュニケーションを活用して、データをリッチ化する企画開発力は重宝されるでしょう。事業効率を向上させる企画開発力を遺憾なく発揮させるべきプロセスとして書き留めておきます。

マーケティング基盤構築の「4つの手順」
データをあつめる(別記事)
・データをつくる(この記事)
サービスをつくる(別記事)
コミュニケーションをつくる(別記事)


この記事を書いた人

小畑 陽一
株式会社UNCOVER TRUTH
取締役COO(Chief Operating Officer)

2014年、music.jpやルナルナを手がけるエムティーアイ社出身。ソリューション事業責任者として、大手企業向けモバイルサイト構築ソリューションで、国内ナンバーワンのASPサービスを展開。2014年、取締役として株式会社UNCOVER TRUTHの取締役COOとして経営に参加。経営・事業戦略とマーケティングを管掌。 ad:tech Tokyo / Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。
著書:『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』(CDP専門書籍)


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