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サードパーティ・クッキー(3rd party Cookie)廃止に伴うCDPの必要性について

この記事では、サードパーティ・クッキー廃止の影響と、その対策としてのCDPの活用について説明しています。

近年、プライバシー保護の重要性が増しており、それに伴い多くのウェブブラウザが、サードパーティ・クッキーの使用を制限または廃止する動きが広がっています。この変化はデジタルマーケティングにとって大きな影響を与え、企業は新しい手法で顧客との関係を築く必要が生じています。この状況で特に注目されるのが、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の必要性です。

そもそもサードパーティ・クッキー(3rd party Cookie)とは

サードパーティ・クッキーは、対象のウェブサイト以外のドメインから提供されるクッキーであり、ユーザーの行動データを追跡するために使用されています。サードパーティ・クッキーの主な目的は、広告主や分析サービスプロバイダーなどがユーザーの行動データを収集し、広告のターゲティングやウェブサイトの改善に活用することです。例えば、あるウェブサイトで商品を検索した後に別のウェブサイトを訪れた際に、関連する広告が表示されることがサードパーティークッキーの働きとなります。サードパーティ・クッキーの仕組みを下図をもとに見てみましょう。

サードパーティ・クッキーの仕組み

① ユーザーがサイトAに訪問すると、
② 広告タグが発火し、
③ 広告サーバーにユーザーデータを送信します。
④ 広告サーバーにてユーザーデータを保存し、
⑤ 広告サーバーからブラウザにユーザーIDを送信します。
⑥ ブラウザにてユーザーIDを保存・管理し、
⑦ サイトAとは異なるサイトBに訪問すると、
⑧ ユーザーIDをもとに広告配信を広告サーバーにリクエストし、
⑨ ユーザーに適した広告が配信されます。

このように、異なるウェブサイトを訪問しても、ユーザーに適した広告が配信される裏側にはサードパーティ・クッキーが活躍しているのです。

サードパーティ・クッキー廃止とその影響

一人ひとりのユーザーに適した広告が届く一方で、プライバシーの懸念から、多くの主要なブラウザーがこれらのクッキーのブロックや制限を行っております。既にiOS/SafariはITP(Intelligen Tracking Prevention)という追跡防止においてサードパーティ・クッキーをブロックしています。iOS/Safari以外のブラウザでも順にブロックされていき、Googleにおいても2024年7月から同年末までに廃止することを決定しました。モバイルの利用においてはiOSが約60%、Android(Google)が約30%といわれているため、Googleがサードパーティ・クッキーを廃止することでほぼすべてのユーザーにおいて使用ができなくなります。

前段でも述べた通り、これまではサードパーティ・クッキーによってユーザーの蓄積された情報を広告配信で使えてきましたが、廃止されることでリターゲティングやオーディエンス情報といったユーザーの識別が難しくなり、広告効果が下がることが懸念されています。

2024年7月から同年末までにサードパーティ・クッキーが廃止

広告における具体的な影響としては、広告主・メディア・消費者それぞれにおいてマイナスの影響があります。広告主としては、ターゲティングの精度が低下することで効率的な配信ができず、CPAの悪化や広告の間接貢献を測ることができず正しくマーケティング施策を評価できなくなります。

メディアとしては、広告の質が落ちることで出稿する企業が減り、収益面での悪化が予想されます。消費者としては、ユーザーの識別ができなくなるため興味のない広告が増えたり、メディア側の広告収益が減ることで無料で見れていたものが有料化される可能性があります。

サードパーティ・クッキー廃止による広告への影響

ここまで広告を中心にサードパーティ・クッキーの影響を説明してきましたが、広告に限らず、ユーザー情報を収集・活用しているDMPでも同様にユーザー情報を収集できずマイナスの影響があると考えられます。

サードパーティ・クッキー廃止に対する対策

サードパーティ・クッキーが廃止されることで、広告を中心に大きな影響を及ぼしますが、対策を行なうことで影響を少なくすることができます。

サードパーティー・クッキー廃止などプライバシー保護の動きが強まる中で、プライバシーを守りつつ、データを活用できる「データクリーンルーム」が登場しました。広告媒体のようなプラットフォーマーがデータの分析・活用ができるクラウド環境を用意し、広告主が顧客データを連携し、分析や広告配信に活用することができます。このクラウド環境をデータクリーンルームと呼びます。データクリーンルームに連携するデータは、メールアドレスをハッシュ化した顧客データであるため、プライバシー保護も行なわれています。

各媒体でターゲティングを行うには、媒体ごとのデータクリーンルームに顧客の統合DBをCDPで構築する

より活用を広げるためにも、顧客データに購買や各種行動データを紐づけた「顧客の統合DB」を作る必要があり、ここで活躍するのがCDPになります。

CDPの役割とメリット

CDPとは「Customer Data Platform」の略であり、オンライン・オフラインの行動データ、広告データなどを収集・統合、顧客ひとり一人を可視化するデータ基盤です。主なCDP製品には「TREASURE DATA」「TEALIUM」「KARTE Datahub」等があり、当社では「Eark」をご提供しています。

CDPでは、各種データが紐づいた顧客データが蓄積されているため、ユーザーの解像度向上につながるほか、特定の顧客データをデータクリーンルームや各種マーケティング施策ツールへ連携することができます。CDPがあることでマーケティング施策におけるターゲティング精度が上がるため、マーケティング活動をよりレベルアップすることができ、サードパーティ・クッキー廃止においてもポストクッキー時代の新たなターゲティング配信が可能になります。

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UNCOVER TRUTHでは、CDPの選定から導入/構築支援、CDP活用のコンサルティング、CRM戦略立案、マーケティング施策の立案/実行/効果検証までをお客様に合わせてワンストップでご支援しております。サードパーティ・クッキー廃止に伴い、引き続き高い精度で広告配信をしていきたい方や、もっとデータを活用し顧客の解像度を上げながらマーケティング施策を行ないたい方はぜひご相談ください。

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1to1マーケティング、OMO施策など、顧客体験を向上させるためにCDPの導入を検討されているケースをよくお見受けします。当社でも日ごろからCDP関連のご相談やご質問を多くいただいておりますが、中でも費用に関するご質問を大変多くいただきます。本資料では、これまでの当社の経験を元にした、DXプロジェクトを推進する上で知っておきたい「CDPの導入にかかる費用」についてまとめています。


この記事を書いた人

株式会社UNCOVER TRUTH
ビジネスデベロップメント
ゼネラルマネージャー
仁藤 玄(にとうげん)

2006年トランス・コスモス株式会社に入社。外資系メーカーのWebサイトのプロデュース・ディレクション・プロモーションを約5年担当。その後、大手放送局へアナリストとして常駐し、サイト全体の分析や、KPI設計、ディレクションを担当。ABテストツールやGA360の導入を推進し、データ分析~実行のPDCA体制を構築。2016年よりUNCOVER TRUTHにアナリストとして入社、数十社の企業のサイト分析と改善のコンサルティング業務を担当。現在は事業責任者として、組織づくりや仕組みづくりを担当しつつ、CDPの新規事業を含めた社内外の多数のプロジェクトを推進する。著書:「ユーザー起点マーケティング実践ガイド 」マイナビ出版

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