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マルイ社の成功事例に学ぶ、デジタルマーケティング推進のヒント|セミナーレポート

UNCOVER TRUTHはこれまで多くの企業様のWebサイト改善を支援してきましたが、ここ1〜2年は特に、各社の予算や人的リソースが実際にデジタル領域にシフトしてきていることを肌で感じます。その中で「会員登録率」「商品の購入率」「サービスの利用率」といった指標の向上を目指し、Web上での顧客体験の向上に成功されている企業様の事例を目にする機会も増えてきていますが、一方で「この進め方は正しいのだろうか」「Web上での最適な顧客接点がわからない」という根本的な不安を抱えたまま業務に向き合っているご担当者もまだまだ多いようです。

今回のセミナーでは、ECサイト「マルイウェブチャネル」のデジタルマーケティングで成果を上げている株式会社エムアンドシーシステム(以下、マルイ)の稲垣氏と、Web接客ツールを提供している株式会社Sprocket(以下、Sprocket)の代表取締役深田氏をゲストにお迎えして、顧客体験の最適化を実現しビジネスの成長につなげるための、デジタルマーケティング推進のヒントをお届けしました。

取り組むべきなのは「リニューアル」か?「PDCA」か?

第一部はいつものようにUNCOVER TRUTH CAOの小川卓による講演です。今回はPDCAの話に入る前に、そもそもどのような場合にPDCAが効果的なのか?ということに触れました。よく「Webサイトリニューアル」という言葉を耳にするかと思いますが、実は「リニューアルが効果的なとき」と「PDCAが効果的なとき」は違います。これについて小川はさらに「集客 ⇄ サイト」の軸を加えて説明し、今やるべきなのはリニューアルなのかPDCAなのか、手を打つべきは集客部分なのかサイトそのものなのか…を、四象限のマトリクスを用いて整理する手法を紹介しました。

具体的には「ある程度きちんとPDCAをやり尽くした時や、たくさんの施策を打っているにも関わらず全体的なコンバージョンの低下傾向を止められない時はリニューアルが効果的。一方、ある程度まとまった流入があり緩やかに成長している時や、細かい施策を回すリソースやツールを確保できそうな時はPDCAが効果的」と小川。さらにリニューアルとPDCAそれぞれの「時間軸」「改善幅」の違いについても説明しました。

失敗を恐れず、ボリュームのあるデータをどんどん回すことが大事

こうした前置きを経て本題=PDCAの話へ。これまでのセミナーでも毎回お伝えしてきた打席と打率の話や、関係者全員が「ハラオチ」することの重要性、Adobe Analyticsとヒートマップツール「USERDIVE」の併用による相乗効果のお話は、過去の記事をご覧いただけましたら幸いです。

第一部の締め括りとして小川は、マルイの事例を振り返りつつ、PDCAを回す全てのシーンで大切な考え方として「失敗するよりも停滞することの方が怖い」と強調。また、サイトの規模にはよるものの、コンバージョン数100以上を目安にある程度のデータ件数を担保した上でデータ分析をすることの重要性についても説明しました。マルイとの二人三脚については、第三部のパネルディスカッションにも続きます。

Web上のパーソナライズは「コンテンツの出し分け」だけではない

第二部は「Web接客ツール」を提供するSprocketの深田氏による講演です。名前の通り、リアル店舗の接客と同じようにWeb上での顧客体験向上を実現するのが同社のツールの特徴ですが、深田氏は「Web接客とはつまり“パーソナライズ”のこと」と説明します。一般的にWebでのパーソナライズというとコンテンツの出し分けというイメージを持たれますが、SprocketのWeb接客ツールはまさにリアル店舗と同じ。「声をかけるタイミング」から「ご案内する動線」「お客様自身が選んでいるという体感」まで、これらを全て一人一人のユーザー行動に合わせて提供し、まるでベテラン販売員に接客されているような体験をWeb上で実現するのです。

5年前からUX戦略に注力

こうした特徴を持つSprocketのWeb接客ツールと、UNCOVER TRUTHのヒートマップツール「USERDIVE」ならびにWebサイト改善コンサルティングをご活用いただきながら、Web上での顧客体験最適化を成功させてきたのが「マルイウェブチャネル」です。ここからは三社の本音トークによるパネルディスカッションで、さらにリアルな話をお届けします。

パネルディスカッションの冒頭で、今回のセミナーにご参加いただいた企業様に関する以下のようなデータをご紹介しました。

[ 各ツールの導入状況(UNCOVER TRUTH調べ)]

  • アクセス解析ツール:ほぼすべての企業が導入
  • ABテストツール:約6割の企業が導入済み
  • ヒートマップツール:約4割の企業が導入済み
  • Web接客ツール:約3割の企業が導入済み

各ツールの導入状況について、これらの数字はおそらく世間一般の平均値よりはかなり高く、セミナー参加企業様の意識の高さが伺えます。その中でマルイがECでのUX戦略に注力し始めたのはなんと5年前。2006年にECサイトを開設し、2010年にはAdobe Analytics(当時:Sitecatalyst)、2012年にはすでにABテストツールやヒートマップツールを導入していたと言います。

「ツールを導入しただけで終わり」にならないためには

こうした早いタイミングで、そもそもUX戦略に注力し始めたきっかけは何だったのか?
という問いに対して稲垣氏は「新規顧客は入るものの、継続率が上がらなかった。これは本気で向き合わないといけない課題だと感じた」ということを挙げました。このことからもマルイが早くから顧客のエンゲージメントの重要性に気づいていたことが分かります。

一方で「ツールについては導入するだけで満足し、うまく使いこなせなかったものもある」と稲垣氏。ツールの機能そのものはもちろんですが、それ以上にツールを提供するベンダーがオペレーションに伴走し、密なコミュニケーションを取ることの重要性について語りました。オペレーションの伴走はSprocketとUNCOVER TRUTHの強みでもありますが、逆にSprocketの深田氏からは「良かれと思ってオペレーションに入り込みすぎると、クライアント企業側に知見が貯まらないのではないかと心配になる」という葛藤も飛び出しました。また、現在マルイではデジタルマーケティング推進のために数十種類のツールを導入しているものの「それらの全てを内部で完璧に使いこなすのは難しい」と稲垣氏。
社内できちんとツールを使いこなせる人材を育成するための集中カリキュラムを組んだり、ツールによっては外部のプロフェッショナルにオペレーションまで入りこんでもらったりしながら「自走」と「戦略的アウトソーシング」のバランスを取っていると言います。

この後も様々な質問が続きましたが、UNCOVER TRUTHのセミナーは「競合他社からの参加者が多数いる中、ゲストスピーカーが生々しい質問にどんどん答えてくれる」というのが特徴の一つです。これからご参加いただく皆さまにはぜひ、この機会に聞いてみたい!というような質問事項とともにご参加いただければと思います。

UNCOVER TRUTHでは、今後もこのようなセミナーを通して積極的に成功事例を発信し、Webビジネスの成長やそれに向けた組織上の課題を抱えている企業・ご担当者様を支援してまいります。

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