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KPIツリーを駆使したLTV改善~変化を捉え、本質を見抜く~| 【連載アナリストブログ 第2章第3話】

UNCOVER TRUTHでアナリスト歴2年目の清水がデータ活用事例を紹介する連載ブログ:この記事では某オンラインショッピングサイトを取り扱う企業様と行った、KPIツリーに基づいた課題の解明、課題改善のための分析(ウェブログを活用したF2転換分析)について4回にわたり紹介します。これを読んでいただければ、課題の明確化から、分析のやり方までご理解いただけると思うので是非最後までご覧ください!

本ブログを開いていただきありがとうございます!
UNCOVER TRUTHでアナリスト歴2年目の清水です。
第3話は目標の設定についてご紹介します!

<ラインナップ>
第1話 KPIツリーの設計
第2話 目標の設定
第3話 定点観測と課題認識
第4話 課題改善分析~F2転換分析~

<定点観測と課題認識>

目標設定までできたら、「目標には届いているのか?」を月次で観測していきました。
単月、移動年計の実績を、目標と比べてどうか?過去と比べてどうか?の観点で確認し、評価しました。

でも…どう評価したらいいの…?

そう思う方も多いと思います。
この取り組みを始めた当初は実際僕もそう思っていました。

基本的にまずは「目標との差分」を確認、評価するのが良いのかなと考えています。
「設定した目標を達成したかどうか」がビジネスの最優先事項といえるからです。
目標達成していることは、すなわち計画通りの成長といえるため、まずは目標を達成しているかを評価しましょう。
そのうえで「過去との差分」を確認することで、事業を成長させられているかを評価していきましょう。
仮に前年より売り上げが伸びているとしても、目標に届いていなかったらビジネスとしては不充分な成果となるでしょう。
過去の状態を超えられているのは素晴らしいことですが、あくまでも超えるべきは目標です。

また悪いことも、良いことも評価することを意識していました。
悪いことを改善することで、成長につながります。これは揺るがない事実です。
しかし、良かったことを継続する、進化させることでも成長につながります。
自戒を込めてですが、人は往々にして悪い部分にのみ目が行ってしまいます。
しかし悪い部分「も」、良い部分「も」評価することが大事なのです。

こうしてビジネスの現在地点を定点的に観測、評価することで、ストロングポインやウィークポイントの特定や、それが一時的なのか恒常的なのかなどを判断することができます。

また、単月と移動年計の役割は以下だと考えています。

・単月
単月で見ることにより、当たり前ですが、「今月どうだったか」を確認できます。
それにより、その月に行ったセールやメール配信などの取り組みがよかったのか、悪かったのかを大まかに評価できます。

・移動年計
移動年計で数字を見ることにより、顧客区分(新規顧客、F2転換顧客など)ごとの実績を確認できます。
顧客区分ごとの実績を確認し、評価することにより、課題のある顧客区分を特定できます。
これにより、改善策を具体的に考えやすくなります。
例えば全体の売上が足りていないとき、闇雲に売上拡大を狙った施策を実施しても、期待していた成果を上げることができないことがあります。
顧客のステータスによって、取るべきアプローチ方法は異なるからです。
1回も購入したことのないお客さんに対する接客方法と、常連さんに対する接客方法は違うというのは、なんとなくご理解いただけると思います。
そのため、顧客区分を分けて数字を追い、策を講じることが必要です。
それにより、効果を上げやすくなります。
もちろん、顧客全員を対象とした施策をなくせということではありません。
よく見られるブラックフライデーといった大規模なセールは効果が多分にあるからです。
大事なのは、全員に向けたアプローチ「も」、お客さんに合わせたアプローチ「も」必要ということです。

定点観測で何が分かった?

今回の取り組みで、数カ月間定点観測をすることにより、恒常的に課題のあるポイントを発見することができました。

それは「F2転換」です。

単月の売上は目標を達成していたものの、移動年計売上が目標に到達していないことが分かりました。
最近は良いものの、年間で見ると不足していることを意味しています。
そこで、分解した顧客区分ごとに見ていくと、F2転換顧客の売上が目標に到達していないことが分かりました。

KPIツリーを基にした課題の整理

その原因をKPIツリーにのっとって分解し、解明していくと、「顧客数」が原因と分かりました。

顧客単価(ひとりのお客さまあたりの売上)は目標を達成しているものの、顧客数は目標を達成していなかったためです。
さらに昨年と比較して落ちていることから、優先的に改善すべき点と判断しました。

ここでさらにF2転換顧客数を分解しました。
F2転換顧客数は新規顧客数 × F2転換率で算出できます。
新規顧客数とF2転換率を確認すると、新規顧客数は目標比約105%でした。
一方、F2転換率は目標比約70%でした。
この事実から「課題はF2転換率」と結論づけました。

つまり「1度購入した顧客を2回目につなげる」取り組みを実施していくべきということです。

分解による原因の解明

今回単月だけで数字を見ていたら、単月売上は目標達成しているため、「好調」と判断していたと思います。
しかし移動年計でも見ることで、F2転換に課題があることが発見できました。
単月、移動年計両方で実績を見ていくことにより、表面的な数字には表れにくい強みや弱みを把握できました。

第3話はここまで!次回はF2転換分析について紹介していきます。

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