今さら聞けないCRMの基本!MA・CDPを活用したデータマーケティングの始め方

目次
導入
本記事は、CRM(顧客関係管理)の基本から、MA(マーケティングオートメーション)とCDP(カスタマーデータプラットフォーム)の役割、そしてデータ活用の具体的なヒントを分かりやすく解説します 。
昨今、従来のマスマーケティングの限界やデジタル化による顧客行動の変化を背景に、CRMの重要性が高まっています 。CRMとは、顧客一人ひとりのニーズを深く理解し、最適なコミュニケーションを通じて、良好な関係性を構築・維持し、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための戦略とそれを支えるシステムです 。
この記事はこんな悩みにお答えします。
- 顧客理解を深め、LTVを最大化したい
- MAとCDPの違いと、連携によるメリットを知りたい
- データ活用を成功させるための具体的なステップを知りたい
💡この記事のポイント
- ポイント1:CRMは「顧客との良好な関係を築き、LTVを最大化する」ための戦略とシステムである 。
- ポイント2:MAは「施策の自動化・効率化」に強みがあるが、仕様上のデータ保持期間や種類に制限があるため「広範なデータ統合・管理」を行うCDPとの連携が不可欠である。
- ポイント3:データ活用を成功させるには、「優良顧客の定義」から「潜在層との行動差分の特定」、そして「差分を埋める施策の実行とPDCA」が重要である 。
CRMの基本と具体的な活動

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客を単なる「購入者」ではなく「関係性を築く相手」として捉え 、顧客データを活用して「パーソナライズされたマーケティング施策」を展開します 。
なぜ今CRMが必要なのかというと、従来のマスマーケティングが限界を迎えたためです 。デジタル化が進行したことで情報量が爆発的に増加し、さらにアプリやSNSなど顧客接点は多面化しました。顧客行動が変化したことにより、多様な顧客を画一的に管理すると、顧客ニーズに応えることができず顧客離反が起きてしまうという問題が生じます 。この問題を解決するため、顧客の多様な興味関心を理解し、パーソナライズされた対応を行うためにデータ活用の重要性が向上しました 。現在では「新規顧客獲得」から「既存顧客育成」へとマーケティングの焦点がシフトしています
CRMの具体的な活動は、主に以下の3つに分けられます 。

CRMの具体的な活動
- 顧客データの収集・統合・分析:マーケティングに必要な顧客情報の収集 、データの統合と一元管理 、マーケティングのための顧客分析を行います 。
- 顧客コミュニケーション・パーソナライズ:分析結果に基づいたセグメント別コミュニケーション 、パーソナライズされたコミュニケーション を、適切なタイミング でマルチチャネルにて実施します 。
- 施策管理と効果測定:施策の企画・実行 、効果測定を行い 、PDCAサイクルを実行します 。
CRMで実現できること

CRMを導入することで、以下の4つのことが実現できます 。

CRMでできること
- 顧客理解とパーソナライズされたマーケティング:深い顧客理解の実現 、マスから個へのシフト 、そして顧客体験(CX)の向上につながります 。
- マーケティング活動の効率化と最適化:ターゲット精度の向上 、自動化による効率化 、ROIの最大化が図れます 。
- データに基づいたマーケティング戦略策定:客観的な根拠に基づいた意思決定が可能となり 、市場トレンドと顧客ニーズの把握 、効果的な予算配分に貢献します 。
- 顧客ロイヤルティ向上とLTV最大化:良好な顧客関係性の構築 、リピート購入や継続利用の促進 、優良顧客の育成に繋がります 。
MAとCDPの役割と連携
MAとCDPは、それぞれの役割と扱うデータに違いがあります 。
MA(マーケティングオートメーション):
- 主な目的:マーケティング活動の自動化、リード育成、顧客化 。
- 強み:見込み顧客(リード)の獲得から育成、購買に至るまでのプロセスを自動化・効率化することに強みがあります 。
- 限界:主にWebサイトやメールなど、自社のマーケティング活動で得られた限定的なデータに留まりがちで 、オフラインの購買履歴や店舗での行動、コールセンター記録など、顧客の全体像を把握しきれない点に限界があります 。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム):
- 主な目的:顧客データの統合・管理、顧客理解の深化 。
- 役割:オンライン・オフライン問わず、企業が保有するあらゆる顧客データを集めて一つにまとめ、顧客情報を一元管理するためのプラットフォームです 。
- 施策実行:基本的に施策実行機能は持たず 、MAなどの外部ツールと連携して実行します。

MAの限界を解消し 、より精度の高いマーケティングを実現するためには、CDPとの連携が必要です 。CDPで統合されたあらゆるデータ(顧客情報、Web行動データ、アプリ利用データ、取引履歴、来店履歴、コールセンター記録など) に基づき、MAで施策を実行することで、真のOne to Oneマーケティングが可能になります 。
MAとCDPの連携による事例とデータ活用のヒント

MAとCDPを組み合わせるメリット
MAとCDPを連携した際の、優良顧客育成の活用ステップを紹介します 。

事例:優良顧客予備軍へのアプローチ (EC/小売業での活用例)
・CDPで、「優良顧客予備軍」を定義します。
例:「直近1年間の購入回数が3回以上」「高単価カテゴリの商品を2回以上閲覧」
・CDPで、「優良顧客」と比較し、行動の差分を特定します 。
例:優良顧客は「新商品コンテンツを必ず閲覧」「ロイヤルティプログラムに登録」しているが、予備軍は未実施。
・MAと連携し、差分を埋める施策を実行します 。
(MA)新商品コンテンツを「メール」でお知らせし 、クリックしたユーザーを特定。
(MA)その後、ロイヤルティプログラムへの登録を「アプリプッシュ」で訴求 。
(MA)登録を促進するため、限定特典を「Webサイトのポップアップ」で表示。
このように、CDPで統合・分析した顧客像(優良顧客の行動特徴)に基づき、MAで最適なチャネルとタイミングでパーソナライズされた施策を実行することで、顧客のエンゲージメントを高め、優良顧客への育成を加速させることができます 。
まとめ
CRMは、顧客との良好な関係を築き、LTVを最大化するための有効な手段です 。MAは施策の自動実行に優れますが、データ統合には限界があります 。そこで、オンライン・オフラインのあらゆる顧客データを統合・管理するCDPと連携することで 、より深い顧客理解に基づいた高度なパーソナライズが可能となり 、マーケティング活動を加速させることができます 。データ活用を成功させるためには、「優良顧客の定義」と「行動差分の特定」から具体的な施策につなげるPDCAサイクルを回すことが重要です 。
お問い合わせ
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この記事を書いた人
杉村 研一(すぎむら けんいち)
セールス&マーケティンググループ セールスチーム リーダー
イベント運営・管理、広告代理店での営業・制作業務、業務委託プロジェクトでのリーダー経験を経て、2016年に株式会社UNCOVER TRUTHにJOINしました 。同社では、入社当時は自社ツールやアクセス解析を用いたUI・UXの改コンサルティングの営業、2020年頃よりCDP・CRMコンサルティングの営業として従事。新規開拓、アライアンス・代理店開拓を推進。
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