目次
この記事が解決できること
- データ基盤の役割と構築で得られるメリットがわかる
- データ基盤に必要な4つの構成要素がわかる
- 導入するツールの選定方法を知ることができる
はじめに
近年、ビジネスにおけるデータ活用は、市場での競争力を高めるために欠かせない要素となっています。企業が持つ膨大なデータをいかに効率よく収集・分析し、意思決定に活かすかが重要な課題であり、その課題解決を担うのがデータ基盤です。
本記事では、データ基盤の基本的な概念から得られるメリット、必要な構成要素や導入するツールの選定方法までわかりやすく解説します。
データ基盤とは何か?
データ基盤とは、企業が持つさまざまなデータを集約し、分析しやすい形に整え、業務に活用できるようにするための仕組みのことです。具体的には、営業データや顧客データ・Webサイトのアクセス情報といった多種多様なデータを、一元的に管理し、加工・分析ができるようにするのがデータ基盤の役割です。
この基盤を整えることで、部署ごとに分散していたデータの集約や視覚的なレポート作成・予測分析も容易になります。つまり、データ基盤はデータを活用するための土台と言える存在であり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める企業にとっては欠かせないインフラなのです。
データ基盤構築で得られるメリット
データ基盤を構築することで、単にデータを管理するだけでなく、それを効率的に活用できる体制を整えられます。しかし、「実際にどんな効果があるのか?」「導入することで何が変わるのか?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、データ基盤を構築することで得られる主要なメリットを3つにまとめて紹介します。
データ基盤構築で得られる3つのメリット
- データの一元管理による効率化
- 業務の自動化と属人化の排除
- 精度の高い予測や意思決定の支援
1.データの一元管理による効率化
企業が日々扱うデータは、営業・マーケティング・カスタマーサポートなど、部署ごとに分散して存在している場合が多く見られます。このような分散したデータをデータ基盤で一元管理すれば、情報の検索や集計にかかる手間が削減され、業務効率の向上が期待できます。
また、データの更新や共有もリアルタイムで行えるようになるため、部署間のスムーズな連携も可能です。特に複数部門にまたがるデータのやりとりが多い企業にとって、この効率化のメリットは大きいでしょう。
2.業務の自動化と属人化の排除
データ基盤を整備することで、業務の自動化が促進され、属人化のリスクを減らすことが可能です。例えば、これまで手作業で行っていたデータの収集・加工・レポート作成などは、あらかじめ決められたルールに従って自動で実行されるようになり、担当者の作業時間削減に貢献します。
データ基盤では業務プロセスやデータの処理方法がシステム化・標準化されるため、誰でも同じ手順で業務を行えるようになります。その結果、組織全体の業務品質が安定し、特定の人に依存しない継続的な改善につながるのです。
3.精度の高い予測や意思決定の支援
分散して存在していたデータを一元的に管理・分析することで、売上の動向や顧客の行動パターン・在庫の変動などを多角的に把握できるようになります。これにより、感覚や経験に頼るのではなく、事実に基づいた判断を行えます。
さらに、機械学習やAIといった高度な分析技術と連携することで、将来の需要予測やリスクの検知といった、先を見越した戦略立案も実現可能です。このように、データ基盤は組織全体の素早く正確な意思決定を支援する強力なツールになります。
データ基盤に必要な構成要素
データ基盤を構築するうえで、どのような要素で構成されているのか全体像を理解しておくことが欠かせません。分析に適した環境を整えるためには、単にデータを集めるだけでなく、集めたデータを正しく蓄積し、扱いやすい形に整え、最終的にはビジネスに活用できるように可視化・分析するまでの一連のプロセスが求められるからです。
ここからは、こうしたプロセスを支える基本的な構成要素について解説していきます。
- データの収集
- データの蓄積
- データの整形・統合
- データの可視化・分析
データの収集
データ基盤の構築において最初に必要となるのが、さまざまな情報源からのデータ収集です。販売履歴やSNSの投稿・IoT機器からのログなど、多岐にわたる情報を漏れなく正確に集めることが、効果的な分析を行うための基盤となります。
データ収集では、自動でデータを取り込む仕組みを整えることが必要です。主な方法として、API連携を使った外部サービスからのデータ取得や、ETL(Extract, Transform, Load)ツールを用いた各システムからの情報抽出などが考えられます。
データの蓄積
データの蓄積とは、収集した生データを保存し、後から取り出して活用できるように整理・保管することです。主な蓄積先には、データウェアハウス(DWH)やデータレイクといった仕組みがあげられます。
データウェアハウスは構造化されたデータを効率よく保存・分析するのに適しており、定型レポートや業務指標の分析などで活用される仕組みです。一方、データレイクは構造化・非構造化を問わずあらゆる種類のデータを保存でき、柔軟なデータ活用に向いています。
データの整形・統合
蓄積されたデータは、そのままでは分析に適さないことが多く、正確な分析結果を得るためにはデータの整形・統合が必要です。整形とは、データの欠損値や異常値を補正したり、フォーマットを統一したりする処理を指し、統合とは、複数のシステムや部署から集まったデータを結び付けて、1つの分析可能な形にまとめる作業です。
この工程では、目的ごとに特化したデータマートの作成もよく行われます。データマートとは、営業部門用・マーケティング部門用など、利用者のニーズに合わせて整理された小規模なデータ集のことで、必要な情報だけを抽出・格納しているため、分析の効率が向上します。
データの可視化・分析
整形・統合されたデータは、実際のビジネス判断に活かすために可視化・分析を行います。可視化することで、データをグラフやチャートといった形で直感的に理解できるようになり、数値だけでは見えづらかった傾向や異常値の把握が可能です。
さらに、可視化されたデータをもとに分析することで、現状の課題を発見したり、将来の行動を予測したりと、意思決定の精度を高めることにつなげられます。可視化と分析は、データ活用の最終目的を達成するための重要なステップといえます。
各要素の代表的なツール
データ基盤を支える各工程には、それぞれの役割に特化した代表的なツールが存在します。以下の表で、データ基盤の要素ごとに代表的なツールをまとめましたので、導入時の比較・検討で参考にしてみてください。
構成要素 | 代表的なツール |
---|---|
データの収集 | AWS Glue、Embulk、Apache NiFi |
データの蓄積 | Google BigQuery、Amazon Redshift、Snowflake |
データの整形・統合 | Informatica、Talend、Treasure Data |
データの可視化・分析 | Tableau、Power BI、Looker |
導入するツールの選定方法
市場には多種多様なツールが存在しており、それぞれ機能や強み・費用・使いやすさが異なります。そのため、自社の目的や業務内容・リソースに合ったツールを選ぶことが重要です。
まずは、どの工程(収集・蓄積・整形・可視化)にどれだけの負荷がかかっているかを明確にし、その課題を解決できる機能を持つツールを優先的に検討しましょう。また、利用者のスキルレベルや部門の特性も欠かせない判断材料であり、ITに詳しくない部門でも使いやすいGUIを備えたツールであれば、現場での活用が進みやすくなります。
まとめ
データ基盤は、企業の持つあらゆるデータを効率的に活用し、業務改善や経営判断を支えるための土台となる重要な存在です。構築によって得られる業務の効率化や精度の高い意思決定の支援といったメリットは、DXを推進するうえで大きな価値をもたらすはずです。
導入には、自社の課題や目的に適したツールの選定が欠かせません。まずは現状の業務プロセスを見直し、どこに課題があるのかを洗い出すところから始めましょう。
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