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Adobe社と共同で「Adobe Digital Unleashed」を開催しました

UI/UX解析ツール「USERDIVE」とWebサイト改善コンサルティングを提供するUNCOVER TRUTHは日頃、講演活動やメディア取材などを通して、データドリブンなマーケティングを展開することの重要性をお伝えしています。しかし一口にデータドリブンなマーケティングといっても、担当者の知識や経験、事業内容、さらには組織文化や利用ツールなどによって、直面する課題は様々です。

そこで今回の「Adobe Digital Unleashed」では、解析ツールの二大ブランドである「Adobe Analytics」と「Google Analytics」をフラットに取り上げながら、ベンダーであるAdobe社とコンサルティングを手がけるUNCOVER TRUTHの視点、そして実際にマーケターとして各種ツールを活用する立場である富士フイルムの一色昭典氏の視点から、リアルな「Data Driven Marketingの現実」を語りました。

データ × コンテンツによる、顧客体験創出の時代へ

Adobe社の中川氏は冒頭のスピーチで、近年のマーケティングについて「顧客とのタッチポイントが増え、デジタルを活用することによって一気にビジネスをグロースできる時代になった」と説明。1人の人間が約3種類のデバイスを使いながら常にデータを“吐き出して”いるともいわれる現代において、そのデータをどう取得し、どう読み解き、どう理解してアクションに繋げるかがビジネスのあり方を左右すると話しました。

エンタープライズITの歴史を振り返ると、2000年代に企業のバックオフィスを効率化するERPが台頭し、続いてフロントオフィスのレベニューを上げるBIやSFAが流行。そして2015年以降からの新しいウエーブとして、現在、企業は顧客体験に注目するようになっています。この新しい潮流の大きな特徴は「データだけでなく、データに合わせたコンテンツを提供することによって初めて顧客体験を創出できる時代になった」ことであると中川氏。Adobe社の強みは、PhotoshopやIllustratorといったユーザーの心を動かすコンテンツを作る仕組みと、Adobe Analyticsのようなデータを解析する技術の両方を持っている点にあると話しました。

続いて登壇したAdobe社の祖谷氏は中川氏の話を受け、今年3月のAdobe Summit 2019で提唱された「Customer Experience Management」の考え方を説明しました。特に今後は、カスタマージャーニーを再定義して顧客とのタッチポイント全てにKPIを設定する新しいマーケティングモデル「データ・ドリブン・オペレーション・モデル=DDOM」が注目されるといいます。

ベンダー、コンサル、マーケ担当者が語る「データドリブンマーケティングの現実」

お二人のスピーチに共通するのが「顧客体験」というキーワードです。続くパネルディスカッションでは祖谷氏がモデレーターを務め、データを介して顧客体験と向き合い続ける以下の3名が「Data Driven Marketingの現実」をテーマに意見を交わしました。

<パネルディスカッション登壇者>

  • 富士フイルム株式会社 e戦略推進室 マネジャー 一色昭典氏
  • アドビシステムズ株式会社 アドビ グローバル サービス統括本部 ソリューション コンサルティング本部 ソリューションコンサルタント 磯谷建兒氏
  • 株式会社UNCOVER TRUTH CAO(Chief Analytics Officer) 小川 卓

共通言語として機能し、判断材料になるデータかどうか

日々様々なデータと向き合う三名に最初に向けられた質問は「役に立つデータと役に立たないデータの違いは?」というもの。

Adobeの社の磯谷氏は「一口にデータと言っても、オンラインのストリーミングで得られるPV数やクリック数、基幹データベースに入り込まないと見えないもの、個人情報に近いものなど様々」と前置きした上で「そもそもこれらのデータがなぜ企業にとって資産となりうるのか、端的に説明できますか?」と会場に問いかけました。

この問いに対する磯谷氏自身の答えは「共通理解を作るため」。企業全体が同じ方向を向くための根拠となりうるのはデータだけであり、言い換えると、企業内の共通理解を作ることに寄与するデータこそが、資産化していくべき“役に立つデータ”なのだと話しました。

端的に説明すると…という磯谷氏の話を受けて、UNCOVER TRUTH 小川は「判断材料」と表現。データ自体はユーザーの行動をそのまま表すものに過ぎず、マーケティングにおいてはそれを判断して施策に変換する必要があることから、判断材料になるデータ=“役に立つデータ”であるという考え方です。この視点を持つと、そもそも判断に適した粒度でデータを取得しているか?などチェックすべき項目が明確になり「なんとなく取れるから取っている」で終わらないデータとの向き合い方が可能になります。「判断をアクションに繋げ、成果を出したときに初めてデータは資産になる。ただし、きちんと判断材料になるデータを出発点としていれば、万が一成果が出なかったとしてもこのプロセス自体が資産になる」と説明しました。

振り返るためのデータ分析ではなく、未来の顧客体験を作るためのデータ分析を

これに対し、富士フイルム社の一色氏は事業会社の立場から「GAもAAもプラットフォームとして優れているが、事業課題にどう活用できるのかというところまで寄り添ってくれるような(ツールの)進化を期待したい」と話しました。データはあくまでも過去の事象を可視化したものにすぎず、これを未来の顧客体験や事業成長にどう繋げていくかを考えなければ意味がないという一色氏の主張には、小川も「取り組みを振り返ったり、起こったことの原因を解析したりするだけのデータ分析には意味がない。何かをドライブするから“データドリブン”というのであって、未来に向けて何をドライブしたいかを考えることが大切」と賛同しました。

それでは、データを活用することによってマーケティングはどう変わるのでしょうか。一色氏は、オンラインとオフラインを融合させた施策でCVR(申し込み数)が45%向上した写真年賀状の事例と、ヒートマップツールの活用でCVRが25%向上した「Photo Book」のサイト改善事例を紹介しました。富士フイルム社のビジネス規模では、いずれも年間で億単位のビジネスインパクトになる成果です。

これらの事例を通して得た気づきとして一色氏は「顧客自身も気づいていないインサイトに働きかけること」の重要性を挙げました。特にヒートマップを活用した取り組みでは、サイトを訪問したユーザーが(サービスの選択に)迷っているという事実を把握でき、そこからなぜ迷っているのか、どうすれば気持ちは変わるのかという仮説を立て、顧客体験の改善に繋げることが可能になったといいます。

例えばフリーミアムモデルの「Photo Book」LPでは、改善前のページをヒートマップで分析すると「ページ中央帯の読み物系コンテンツに視線が集まっていない」「有料版へのマウスオーバーは多いものの、クリックされているのは無料版が多い」などの課題が浮かび上がりました。このことから、せっかくの読み物系コンテンツが読み飛ばされていることや、多くのユーザーが有料版に興味を持ってくれているにも関わらず、最終的には無料版を選んでいることが分かります。これらの課題を「訴求する情報量不足」「迷いが生じている」「態度変容が不十分」といった要素に整理し、それぞれに対する改善施策に基づいてUIを再設計した結果、CVRが125%に改善したのです。

例えばフリーミアムモデルの「Photo Book」LPでは、改善前のページをヒートマップで分析すると「ページ中央帯の読み物系コンテンツに視線が集まっていない」「有料版へのマウスオーバーは多いものの、クリックされているのは無料版が多い」などの課題が浮かび上がりました。このことから、せっかくの読み物系コンテンツが読み飛ばされていることや、多くのユーザーが有料版に興味を持ってくれているにも関わらず、最終的には無料版を選んでいることが分かります。これらの課題を「訴求する情報量不足」「迷いが生じている」「態度変容が不十分」といった要素に整理し、それぞれに対する改善施策に基づいてUIを再設計した結果、CVRが125%に改善したのです。

こうした成果から、データドリブンマーケティングの手応えを感じる一方で「富士フイルムはこれまでテレビCMを中心に投資し、CM好感度などの指標を大切にしてきた企業。“誰に・何を・どうやって”を考えれば、狙い通りにきちんと情報を届けることができ、アロケーションも最適化できるという視点を、まずは社内に浸透させる必要がある」と一色氏。マーケティング戦略そのものと同じくらい、チームビルティングが重要であると指摘しました。

組織の再現性が高まり、チーム全員がスーパースターになれる


データドリブンマーケティングとチームビルディングの関係性について一色氏は、今回のイベントのテーマである「Unleashed(解き放つ)」に絡めて「K・K・D」のフレーズを用いながら「これまでのマーケティングは“K・K・D=勘・経験・度胸”の世界だったが、これからは“K・K・D=仮説・検証・データ分析”の世界になる。新しいK・K・Dによって、これまで一人のスーパースター=優秀なマーケターにしかできなかったことに再現性が生まれ、組織全員がスーパースターになれる可能性が生まれる」と話し、パネルディスカッションを締めくくりました。

パネルディスカッションでは他にも「GAとAAの違いは?」「ヒートマップツールを導入してもうまく活用する自信がない」などの質問に対し、三者それぞれの経験に即した現実的なアドバイスが飛び出しました。

UNCOVER TRUTHでは、今後もこのようなセミナーを通して積極的に事例やノウハウを発信し、Webビジネスの成長やそれに向けた組織上の課題を抱えている企業・ご担当者様を支援してまいります。

以上

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