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CCO藤原尚也が語るコンテンツマーケティング|セミナーレポート

コンテンツマーケティングの第一人者である藤原尚也がUNCOVER TRUTHのCCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)に就任したのを記念して、セミナーを開催しました。


CCO藤原尚也がUNCOVER TRUTHに参画したねらい

UNCOVER TRUTHは、ヒートマップツール「USERDIVE」で可視化したユーザー行動データをもとに「コンバージョンに貢献するコンテンツ」を抽出・分析し、データに基づいた最適なUI設計によるWebサイト改善を支援しています。藤原がこの度UNCOVER TRUTHにCCOとして参画した狙いの一つは、UI設計の最適化に加えてコンテンツの最適化を実現し「データドリブンなコンテンツマーケティング」を提供することです。継続的なユーザーの育成とビジネスの成長を、これまで以上に強力に支援する体制が整いました。

そんな記念すべき今回のセミナーのテーマは「『集客から売上UP』に繋げる、事例で学ぶコンテンツマーケティング成功の秘訣」。第一部では、化粧品業界を中心にコンテンツマーケティングを牽引してきた藤原が「集客できる記事制作から売上に繋げる手法まで、成功するコンテンツマーケティング戦略について」と題して講演をしました。

「コンテンツマーケティングは奥が深いので、一時間で深くを語るのは実は難しいんです。今日の話は“さわり”だと思っていただければ」という言葉で講演が始まり、TSUTAYAの実店舗で働いていた時代からECの世界に踏み込むまでの経歴を紹介。2012年にアメリカで初めてコンテンツマーケティングの概念を学び、日本に持ち込んだという話は、まさに日本のコンテンツマーケティングを牽引してきた人物ならではのトピックスです。


自社商品ありきのコンテンツマーケティングは成功しない

多くの企業ではコンテンツマーケティングの最終的な目的を「自社商品をお客様に知ってもらう」というところに設定していると思います。しかし「お客様は商品名ではなく“上位概念”で検索をするので、そのやり方ではうまくいかない」と藤原。これは「まず(自社の商品名を知らない人も含めて)人を集め、集めた人からどうやって売上を作っていくかを考えるべきである」と言い換えることもできます。

女性コンプレックス商品の事例を見ていきましょう。このケースの出発点は、オウンドメディアにおいて多くの記事を発信するも、一向に成果につながらないという課題でした。当時の状況は「コンテンツ作成数がノルマとなっており、内容が企業目線になっている」というもの。これに対して藤原は先ほどの「上位概念による検索」について触れ、読者が求めていることや悩んでいることへのカウンターとなるような情報こそが、検索ボリュームの多い層を捕まえることになるという原則を説明しました。

この女性コンプレックス商品のケースでも、原則から「悩みの度合い別に、検索ユーザーがたどり着けるコンテンツを用意する」という対策を取りました。例えば悩みの正体が似たようなものであっても「薄毛」と検索する女性に対して「抜け毛」と検索する女性の方が、深刻に悩んでいると推定することができます。そこで、悩みの度合いが比較的軽いユーザーに対しては「シャンプー」の情報を、中程度の悩みを持っているユーザーには「育毛剤」の情報を、さらに深刻に悩んでいるユーザーには「治療」に関する情報を提供。さらに「競合商品についても検索する」というユーザー行動を見越し、競合商品の情報も含んだ正しいコンテンツを作成することによって、中立的な立場に立ちながら自社の情報を知ってもらうということを実現したのです。

このように藤原は「悩みを抱えているユーザー」という大きい層を、優良なコンテンツによって自社データベースに呼び込むことの重要性について説明しました。


感度の高いユーザーを呼び込む、優良なコンテンツを作るには

それでは、どうすれば優良なコンテンツを作成できるのでしょうか?その答えとなるのが「ペルソナの作成」です。以下のようなポイントに沿って「このコンテンツは一体どのような人が読むのか?」ということを徹底的に考えます。

  • 検索しているユーザーをイメージする → 性別は?年齢は?職業は?
  • 検索しているシチュエーションをイメージする → いつ?どこで?どんな状態で?何が知りたくて?悩みは何か?
  • 検索1ページ目の結果から差別化する → 検索結果はどうなっているか?

一記事ごとに一つのペルソナを決め、そこから記事の構成を練るというプロセスこそが優良なコンテンツ作成につながります。

コンテンツに来てくれたユーザーを売上につなげるには

優良なコンテンツによって検索ボリュームの大きい層から感度の高いユーザーを呼び込み、期待を裏切らない優良なコンテンツを提供することで自社商品を納得してもらったら「最終的に自社商品を購入してもらうための残りのステップは3つだけ」と藤原。それが以下の3つです。

  • Web接客ツールの活用
  • リターゲティング(リマーケティング)
  • ネイティブ広告運用/レコメンド広告運用

ペルソナをもとに作成した記事は当然、一つ一つ「どういう人に読んでもらうか」の想定が異なります。そこでWeb接客ツールを活用してペルソナの特徴ごとに「初回限定クーポン」や「キャンペーン告知」などポップアップを出し分けたり、コンテンツページに一度来訪したユーザーを追いかけるマーケティング施策を打ったりといったことが必要になるわけですが、ここで重要なのは「どのキーワードで」「どのページに」来たかを明確に分け、追いかけることです。

マーケティング施策ですから、目的設定も非常に重要です。達成すべきゴール(KGI)と過程における指標(KPI)を混同しないようにというお話は、おなじみのCAO小川卓のセミナーでもお伝えしているテーマですね。コンテンツマーケティングの場合、KPIであれば、そのコンテンツに人を呼びたいのか(PV/UU)、そのコンテンツで共感を得たいのか(CTR/CVR)、またはそのコンテンツから売上につなげたいのか(リード数/CV)…といった具合に、自社にとっての指標を明確にしていきましょう。

このようにコンテンツマーケティングの戦略は、全体像を把握し導線を生むことが何よりも重要になります。また、全体像を把握してプロセスを説明できるということは、多くのマーケターにとってボトルネックになりがちな「社内理解」を獲得するうえでも効果を発揮します。冒頭にもあるように、本日の話は奥深いコンテンツマーケティングのほんの“さわり”の部分ですが、明日からの活動の参考にしていただければ幸いです。

CAO小川卓、COO小畑との三者によるパネルディスカッション

第二部はCOOの小畑とCAOの小川卓も加わってのパネルディスカッションです。まずは、ユーザー行動を追うことのできるUNCOVER TRUTHとコンテンツマーケティングの相性の良さを説明しながら、藤原がUNCOVER TRUTHに参画した意図について改めてお伝えしました。その後は「コンテンツマーケティングが成功する企業としない企業の違いは?」「文章力って重要なんですか?」といったざっくばらんなトークテーマに続き、参加者の皆さまからの質疑応答タイム。「コンテンツマーケティングのためのリサーチを逆にプロダクト開発に反映させることもできるのでは?」といった質問に対しては、DMPに向かないという単品通販の特徴や企業ポリシーの問題に触れるとともに、テキストではなく音声検索をする人が多い欧米の例を挙げ「思っていることをそのまま検索することが日本でも主流になれば、その可能性も広がるかもしれない」と藤原。日米の“検索文化”の違いに、会場からは驚きの声が上がりました。最後に、コンテンツマーケティングにおける動画の役割について質問が上がると「動画を作っただけでは商品は売れない」と即答。コンテンツマーケティングにおけるテキストの重要性について説明し、テキストと動画を組み合わせることによる可能性と、その際のポイントを語りました。

UNCOVER TRUTHは今後もこのようなセミナーを通してプロフェッショナルの知見やノウハウを積極的に発信し、皆さまのWebサイト改善活動と、データドリブンなマーケティング活動を支援してまいります。

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