【役員対談①】リアルとデジタルの境界線を越え、すべてのデータが適切に活用される社会へ。CRMのエキスパートとして、私たちが描く未来
オンライン・オフラインの統合データで、ユーザードリブンな世界へ
ーー創業時からUNCOVER TRUTHが企業ビジョンとして掲げてきた「ユーザー行動データとコンテンツデータを活用してユーザー主導の世の中へ」。ビジョンを実現するために、今、会社としてどんなことに注力しているのでしょうか?
石川:ビジョンにある“ユーザー主導の世の中”とは、ユーザーが本当に欲しい情報を、欲しいときに、適切に提供されていく世界を示しています。UNCOVER TRUTHでは創業時から、お客様が「本当にユーザーが求めるもの」を提供できる仕組みづくりを担うことをミッションとしてきました。
Webサイト改善をベースとしたコンサルティング・デジタルマーケティング支援から事業をスタートした私たちですが、現在は、より大局的な「企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進支援」を事業の中心に据えています。
その中でCRMのエキスパートとして、クライアントのデータ基盤(CDP※)の設計・構築、データ分析、マーケティング施策立案、実行まで「一気通貫で支援する」という部分に全力を注いでいるところです。
※CDP(Customer Data Platform):すべての顧客データを収集・結合するシステム基盤のこと
小畑:CRMに注目する企業が増えている昨今、重要度があがっているのが、OMO(Online Merges with Offline)の概念です。ご存知の通り、現在ではオンラインとオフラインを統合したデータを活用したマーケティングで、リアルとデジタルの境目なく、UX(顧客体験)を高めることが重視されるようになりました。
例えば、Aさんはアパレル商品を購入するとき、下着や靴下などデザインにこだわりのない日用品はオンラインショップで買います。一方、同じメーカーの商品であっても、見た目に関係する衣服は目で見て試着して決めたいので、必ず実店舗に足を運んで購入します。
しかし、アウター自体を購入するわけではないオンラインショップから、「最寄りの店舗で冬物アウターの取り扱いをスタートしました」という情報が届けば、「そうなんだ、行ってみようかな?」と興味を惹かれたAさんの購買意欲の喚起に繋がります。
こうしたアプローチは、オンラインとオフラインの購入データが別々になっていては不可能です。
石川:このように、オンラインデータだけではなく、オフラインでのユーザーの行動・思考までカバーして「本当に求めるものを提供する仕組み」を作ることが重要な時代になった今、ユーザーのありとあらゆるデータを集積できる有益なCDPを整え、より広い視点からのデータ分析ができるプロフェッショナルが求められています。
小畑:こうした取り組みを行う企業は徐々に増えてきましたが、専門的な知見が求められることから、まだまだ進んでいないところも多いのが実情です。
CDPの構築から担い、データを適切に分析してマーケティング施策を立案し、実行まで一手に担う私たちのバリュー・プロポジションは、まさにそこにあるといえます。
2020年5月には、具体的なサービスとして「PERSONAL CDP」をリリースしましたが、大きな反響をいただき、お客様の熱い期待に強い手応えを感じています。
「できること」の幅を広げ、次々にサービスを創出
ーー現在の「より広義でのマーケティング支援事業」に舵を切るまでに、どのようなサービスを手がけてきたのでしょうか?
石川:2013年、SaaS型の分析ツール「USERDIVE」を開発・提供するところから私たちの事業はスタートしました。これは、Webコンテンツに対するユーザーの反応を可視化するヒートマップを特徴とするプロダクトです。
小畑:2014年には「USERDIVE」とGoogleAnalyticsのデータ分析をもとにしたWebサイト改善のコンサルティングをスタートしています。大手企業を中心として、クライアントが一気に増加したのがこの時期でした。
石川:そこから、より深くクライアントに貢献できるように、KPI設定・施策立案からデータ分析・実行・検証までワンストップで支援できるコンサルティングのチーム体制を整えていきました。クライアントと伴走するパートナーとしての実績を地道に積み重ねてきた先に、現在のUNCOVER TRUTHがあります。
同時に、他社開発のツールと連携・協業したり、パフォーマンス改善ツールの運用代行も始めたりと、サービスも徐々に拡張してきました。クライアントの事業成長にコミットする上で、我々の対応領域が広がっていくのは必然だったといえます。
「データ分析×コンサルティング」で顧客のグロースハックに貢献
ーーこれまでを振り返ってみて、UNCOVER TRUTHの強さはどこにあると思いますか?
石川:ユーザーの状況を的確にとらえるデータ分析力と、それを活かして成果にコミットするコンサルティング力は大きな武器になっていると思います。データ分析の観点では、2015年にWebアナリストの小川卓がCAOとしてジョインしたことが、非常に大きな意味を持っています。試行錯誤しながら、業界トップレベルの知見を社内の「共有ナレッジ」にできたからこそ、今のUNCOVER TRUTHが存在しています。
小畑:結果として、ユーザーの隠れたニーズまで深いレベルで捉えるデータ分析技術は、日本一といえるレベルまでに伸ばせたと自負しています。
高度な分析技術によって、デジタル領域で顧客のグロースハックに貢献できた多くの実績は、当社UTのかけがえのない資産です。そのノウハウを持った私たちだからこそ、オフラインも含めたCDPシステムの構築・運用のサポートまで担うことで「さらに強いサービス」が提供できるようになったのが現在です。
石川:クライアントと我々の関係は、ツール提供だけ、データ分析だけ、コンサルティングだけ、システム構築だけ、というように「一部」を担うものではありません。すべてのフェーズに関わるからこそ掴むことができる「何に困っているのか」「何を求めているのか」のリアルなニーズが、新しい企画・サービスに繋がっていく機会も多いです。
小畑:デジタルマーケティングの本流を抑えた確度の高いサービスを生み出すことができたのも、我々が「お客様以上にお客様のことを理解しよう」と努めてきたからだと考えています。
このニーズを的確に捉えて、サービスに落とし込む力もUNCOVER TRUTHの強みでしょう。
未来の“ニーズ”を先取りし、“シーズ”としてのサービス開発に注力
ーー最後に、UNCOVER TRUTHが目指す「これから」について聞かせてください。
石川:企業のDX推進支援に関しては、大手広告代理店や外資系コンサルファームなどが名乗りを上げ、しのぎを削っている状態です。ただ我々は彼らと同じ土俵ではなく、ベンチャー企業として、より細やかで深いサービス、具体的な施策の実行まで責任を持ってお客様に提供できる「CRMのエキスパート」としてのトップを目指しています。
小畑:私たちは今、顧客企業とユーザーが末長く、素晴らしい関係を築けるようなマーケティング支援会社になるという想いを込めて“CRMエージェンシー”として自社を定義づけています。
「CRMに取り組む企業は、まず最初にUNCOVER TRUTHに話を聞く」そんな存在になりたいですね。
石川:そのためにも、既存の“ニーズ”からサービスを考えるだけでなく、もう数歩「先を行く」必要があります。
今、私たちはマーケティング支援の軸となる新しい分析ツールの開発も進めていますが、それは「今ある課題の解決」のみならず「この先、ビジネスやマーケティングの世界はどうなるのだろうか?」「どんなサービスが必要になるだろうか?」と未来を予想して企画したものです。
こうした“シーズ”としてのプロダクト・サービス開発も発展させたいと考えています。
小畑:これまで培った実績を基にしながら、それだけに留まらず「テクノロジー×コンサルティング」の独自サービスを進化させ、挑戦を続けていきたいですね。