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小川卓が解説!ウェブサイトの分析プロセス1:分析方針を決めるためにチェックするべき5つのデータ

こんにちは。
UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)小川卓です。

前回、前々回の記事では、CRO(コンバージョン率最適化)について当社代表の石川よりお話させていただきました。

過去記事
CRO(コンバージョン率最適化)とは?まずは意味、全体の流れ、ポイントを理解しましょう
CROの内容を理解した上で考えたい!CROに取り組むべき状況とメリット

CROのプロセスの最初には「現状を分析する」という項目が存在しますが、よりよい分析するためには下準備が必要です。

今回は、ウェブサイトの分析プロセス1としまして、分析方針を決めるためにチェックするべき5つのデータについてお話させていただきます。


ウェブサイトの分析プロセス1:分析方針を決めるためにチェックするべき5つのデータ

ウェブサイトの分析をGoogle アナリティクスなどの解析ツールを使って行う際に、なんとなく上からレポートを見てはいけません。大切なのは「どのような分析をして、どのような改善案に繋げるのか」という事を最初に整理することです。つまり、分析方針を決めるということです。
 
そのためには、まずいくつかのレポートをチェックするところから始めましょう。このプロセスは、どのウェブサイトの分析でも最初に行うべきです。こちらを実行しておくことで、後の不必要な集計作業を削減したり、改善案を出しやすくなったりというメリットがあります。では、最初にチェックするべき5つのデータを紹介いたします。

データ1:時系列での訪問やコンバージョンの傾向を見る

直近数年の、難しければ直近1年の基本的な指標の時系列での変化を見つけます。訪問者・訪問回数・ページビュー数・直帰率・コンバージョン率・新規率などの基本的なデータを、月・週・日単位で確認してみましょう。
全体的な増減、季節的なトレンド、そして想定外かつ急激な増減の把握が目的となります。実際の分析を行う際に、それら変化が起きた理由を特定する事が出来れば改善案の検討に役立つ可能性が高いです。またこの作業は分析対象期間を決める上でも大切です。

例えば上記のグラフ(2年間分の週別ユーザー数とページ/セッションのデータ)1つとっても数多くのチェックしたほうが良さそうなポイントが見つかります。具体的には

・9月3日~9月23日の間は、それまでと比べて訪問数が2倍ほどに上がっているが何故上がっているのだろうか?

・ページ/セッションが2018年の前半は徐々に減少しており、8月5日以降回復しているが、下がった原因は何なのか?また8月5日週で回復した理由は何か施策を行ったからだろうか?
 
・逆にユーザー数は2018年の前半は伸び続けているが、これは何故か?ページ/セッションがこの期間で減少しているということは、直帰率が高い、あるいは、平均閲覧ページ数が少ない流入元を増やしていないか?集客の評価のためにも後で集客レポートを見てみよう

といったような分析するべき内容を整理することが出来ます。またはずれ値などがある場合は、そこを除外した集計期間で分析をするなどの判断も行いましょう。

はずれ値(外れ値)…他の値から大きく外れた値のこと。他のデータからみて、極端に大きな値、または極端に小さな値を指す。

データ2:デバイスと新規orリピートの特徴を確認する

ウェブサイトに訪れるユーザーの行動は様々な条件によって変わりますが、まず見ておきたいのが「デバイス種別」そして「新規」「リピート」で行動の違いです。それぞれのボリュームやコンバージョンへの貢献を見ておくことにより、どのデバイスが大切なのか?新規・リピートでの違いを見る必要があるのか?などの分析項目を整理する事が可能です。

オススメのレポートは、上記の通りユーザータイプ(新規・リピート)とデバイスカテゴリ(デスクトップ・モバイル・タブレット)の掛け合わせしたレポートになります。どういった特徴があるのかは、ぜひ読者の皆様に考えていただきたいと思います。

どのデバイスの優先順位が高いのか、コンバージョン率の違いなど今後分析を行う上で理解しておいたほうがよい情報が沢山あるのではないかと筆者は考えています。

データ3:流入元とその推移を確認する

流入元ごとの流入数やコンバージョンへの貢献などを確認しましょう。どの流入元からのアクセスが多いのか。まずは一番大きい単位(Google アナリティクスでは「チャネル」レポート)で数値を確認し、特徴的なもの(数値が他の流入元と比べて高い・低いなど)があれば、更に内訳を見て良い・悪い流入元を特定しておくとよいでしょう。

上記のデータであれば、「Referralの直帰率が82.17%とサイト平均より大きく悪いわりには、コンバージョン率はサイト平均を超えている」「Emailはかなり成果が高い」などの特徴が発見出来、分析を実際に行う際に、これらを深堀りしたほうが良さそうな事がわかります。

サイト内の分析改善を行う場合は、アフィリエイトや一部リスティング広告など、サイト全体の傾向を把握する上で、(数値が極端なことにより)全体像を把握しにくくなる流入元が存在するケースもあります。これらもデータを確認した上で、サイト内分析時には除外するという判断を行っても良いかと思います。

データ4:ランディングページと直帰率を確認する

サイトへの入口ページがどのページになっているかを確認しましょう。ウェブサイトの分析改善をする上で大切なのは、インパクトのある(成功すれば効果が大きい)改善案を出すことです。そのために欠かせないのが、流入が多いページあるいはページビューが多いページを対象にすることです。本レポートを使う事で、優先順位が高いページあるいはページ群を特定できます。

上記サイトの例であれば、流入の約2/3が上位4ページによって占められています。そのため、これら4つのページは分析対象としても優先順位が高いという事が分かります。流入後どのページに移動しているのか?どういった流入元からこれらのページに入ってきているのか?チェック出来ることはいろいろあります。

また筆者が考える「もし1ページだけを改善できるのであれば、どのページから行うべきか」を見つけるためにも本レポートは有効です。改善の優先順位が最も高いページは「流入が多くて直帰率が高いページ」です。上記の表であれば2位のページになります。

データ5:主要導線の訪問回数と遷移率

多くのウェブサイトでは、利用者に通ってもらいたい導線が存在します。ECサイトであれば、サイト訪問⇒一覧⇒詳細⇒カート⇒決済開始⇒決済完了 になりますし、物件・宿・求人・飲食などを扱っているサイトであれば、店舗一覧⇒店舗詳細⇒予約開始⇒予約完了 といった流れになります。

このような主要導線がどのように利用されているのかを把握することは、「どこの訪問が多いか」また「どこで離脱しているか」を把握する上でも大切です。
Googleアナリティクスであればセグメント機能(特にシーケンス)を利用して主要導線の遷移(ファネル図あるいは遷移図)を作成してみましょう。改善ポイントの特定に役立ちます。

それぞれ、どのようにデータを出せばよいのか?Topページを例にGoogle アナリティクスでの取得方法を紹介しておきます。なお、ここに出しているデータは全てのセッション単位でのデータになります。

Topページのページ別訪問回数: 「すべてのページ」のレポートから該当ページのページ別訪問回数を確認する。ここでは13,916

Topページの離脱率: 上記レポートの離脱率を確認する。ここでは27.5%

Topページから商品一覧への遷移数: セグメント機能の「シーケンス」を利用してStep1にTopページのURL、Step2の商品一覧ページのURLを追加して、該当セッション数を確認する。ここでは1,048

シーケンスセグメントの例: 「Topページ」「商品一覧」にはサイトにあわせて、これらのページを特定するURLの一部を追加する

Topページから商品一覧への遷移率: 遷移数÷Topページの訪問回数で計算される。ここでは7.5%

このような形でユーザーの導線を整理することで、どこでユーザーが「落ちているのか」を把握する事ができます。落ちが大きい(かつ訪問回数が多い所)は改善優先順位が高いページ群になります。より多くの方にゴールにたどり着いてもらうために、課題となっている箇所を特定していきましょう。

まとめ

ウェブサイトを分析する前に、チェックするべき5つのデータを紹介してきました。これらデータを取得するのには1時間半くらいかかるかと思われます(特にデータ5が取得に時間がかかる)。しかし、このプロセスをしっかり行っておくことにより、後の分析精度を上げることが出来ますし、皆さん自身がサイト内のユーザー行動を正確に理解できるようになります。

いきなり上からレポートを見たり、分析を開始したりするのではなく、ぜひこのような分析方針を決めるための時間を確保してみてください。次回の記事では、具体的な分析プロセスを紹介していきます。お楽しみに!


小川 卓
株式会社UNCOVER TRUTH
CAO(Chief Analytics Officer)

Webアナリストとしてマイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンジャパンなどで勤務。解析ツールの導入・運用・教育、ゴール&KPI設計、施策の実施と評価、PDCAをまわすための取り組みなどを担当。全国各地で講演を毎年40回以上行っている。デジタルハリウッド大学大学院客員教授。 主な著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。

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