CROの内容を理解した上で考えたい!CROに取り組むべき状況とメリット
こんにちは。UNCOVER TRUTHの石川です。
前回はCROの流れやポイントについてお話させていただきました。
(過去記事:「CRO(コンバージョン率最適化)とは?まずは意味、全体の流れ、ポイントを理解しましょう」)※こちらも合わせてご覧いただくと今回の内容に入りやすくなるかと思います。
前回の内容を踏まえた上で、今回はCROに取り組むべき状況やCROを実行するメリットについて少しお話させてください。
※読了時間(7~10分)
こんなことにお困りのご担当者様へ
・CROの用語や内容は知っているけど、実際にどんな状況の時に検討や実行するべきか良くわかっていない
・現状課題はあるが、その課題に対して何を行えるのか?をあまり理解していない
この記事を読むと分かること
・CROを検討や実行したほうがいい状況がわかる
・課題に対して何を実行できるのか?がわかる
1. まずは、おさらい。CROとは?
CRO(コンバージョン率最適化)
=より多くのコンバージョンをより効率的に獲得するために、WEBサイト(アプリなども含み
ます)を改善していく活動
例えば、下記のような指標を改善していく活動です。
・CVR/ROAS/注文あたり単価 etc.
・集客効率のアップ/離脱の防止
・注文あたり点数のアップ etc. ⇒受注効率の向上を目指す。
◆主なCROの流れ
1:分析:改善インパクトの大きな箇所を特定する(初期分析、全体分析)
2:改善インパクトの大きな箇所の課題を特定し改善方法を検討する(課題抽出、施策立案)
3:最適なCROの手法を実行する
4:実行の結果を見て、更なる改善に向け次のアクションに繋げる(効果検証)
2. どのような状態の時にCROに取り組むメリットがあるのか?
では実際、どういう状態の時にCROに取り組むことが多いのか?
もしくは行った方がいいのか?について少し触れたいと思います。
<状態①:新規獲得に課題がある>
・広告展開だけでは、獲得件数が達成できない
∟広告展開で、CV数を稼ごうと思うとCPAが大幅に合わなくなり予算に収められない
∟CPAに合わせた広告展開を進めると、出せる面が限られて数が取れない
∟広告代理店からLPも提案されていて、LPや受け皿が悪くてCVが取れないと言われている
・自然検索からの流入も含めて流入件数は多いし、伸びているが獲得件数が伸びていない
・コンテンツマーケティング展開で流入数は稼げているが、獲得につながっていない
分析結果や目的、状況により異なるため、
あくまで例にはなりますが、下記のようなことが考えられます。
<考え方>
・広告展開だけでは、獲得件数が達成できない
・自然検索からの流入も含めて流入件数は多いし、伸びているが獲得件数が伸びていない
・コンテンツマーケティング展開で流入数は稼げているが、獲得につながっていない
上記のように、流入が獲得できているが思うようにCVが伸びないという場合は、どこにランディングしているのか?そして、訪れたユーザーがどこで離脱してしまっているのか?を把握します
例えば、広告のランディングのLPの直帰率が高いのであれば、そのLPなどをヒートマップで分析し、CVしたユーザーに効いているコンテンツを探り、その掲載優先度を変更したり、デザインを変えて訴求を強化するなどのアプローチが考えられます
流入が足りているけど獲得件数が足りなかったり、流入側をこれ以上広げるのが難しい状況で獲得件数が足りないのであれば、必然的に受け皿であるページ側の獲得効率を上げる必要が出てきます。様々なCROの手法やCROの手順を用いて施策を実行することで、これらの課題にもアプローチできるようになります。
<状態②:LTVに課題がある>
・新規獲得は順調だが、2回目購入の引き上げがうまく行ってない
・会員獲得は出来ているもののそこからの購入に至る率が低い
・定期的な購入につながっていない
・購入単価・購入点数が下がっている
この場合も、状況によりますが、例として下記のようなことが考えられます
<考え方>
・新規獲得は順調だが、2回目購入の引き上げがうまく行ってない
・会員獲得は出来ているもののそこからの購入に至る率が低い
・定期的な購入につながっていない
課題と考えられるカスタマージャーニーごとでの行動の違いに傾向がないかを特定し、そのギャップを埋めるシナリオを策定します
※カスタマージャーニーについては過去の記事も合わせてご覧ください(過去記事:よりよいカスタマージャーニーを作るために!クラスタリングから顧客ペルソナを導き出す。
例えば、「2回目購入してくれている」ユーザーと「初回購入で離反している」ユーザーとで行動を比較した時に、初回購入時の動きに違いがみられた場合、初回購入時の接客シナリオを見直せないかを探ります
・購入単価・購入点数が下がっている
購入単価の低いユーザーの単価を上げたい場合は、購入単価を上げるメリット(送料無料やポイント付与率を高める)の訴求・接触を高めるなどの施策が考えられます
また、合わせてレコメンドロジックの見直し・最適化なども検討しましょう
ここでの課題は、
1回目以降のコンバージョンが発生しなかったり、顧客単価・購入点数・購入頻度が低いという所になります。ここで考えるべきポイントは、基本的にそれぞれ2つのユーザー(そうするユーザーとそうしないユーザー)が存在しているという点になります。
例えば、「2回目以降のコンバージョンが発生しているユーザー」に対して「1回でコンバージョンしなくなるユーザー」が存在しています。
「たくさん買ってくれるユーザー」と「そうでないユーザー」との違いは、
流入チャネルによるのかも知れませんし、サイト内での遷移の仕方が違うのかもしれません。複数回購入するユーザーが良く触れている成果の高いコンテンツが存在しているのかもしれません。さらにページ自体の使い方も両者では違うのかもしれません。
ユーザーは、どこでつまづいているのか?
2回目購入、定期購入、単価の高い、購入点数が多いユーザーとそうしないユーザーの違いはどこか?の分析を進めてき、その差分を埋める施策を実行していきます。
どのぐらいユーザーがいるのか?等データの量は解析ツール側で追えますが、
そのユーザー毎に「どういう使い方をされているのか?」「ページ内のどんな要素がCVに寄与しているのか?」等のページ内での行動の違いを見る必要があり、ヒートマップツールも使用しながら分析することでより確度の高い施策の実行が可能となっていきます。
※ヒートマップを用いた分析については過去記事もご覧ください。
過去記事:
「ふーん」で終わらないヒートマップ分析(前編)ユーザー行動を可視化!ヒートマップを使うべき2つのメリット
「ふーん」で終わらないヒートマップ分析(後編)事例で紹介!成果を出すためのヒートマップ分析2つのコツ
<状態③:現状をうまく把握できていない>
・件数とCPAは追っているが、そもそもサイトの離脱構造がわかってない
・受け皿のサイトをデータで離脱ポイントを把握、改善実行などを行っていない
・ユーザーセグメント別での情報提供(メールや接客)が出来ておらず全体最適しか出来ていない
<対策>
・件数とCPAは追っているが、そもそもサイトの離脱構造がわかってない
・受け皿のサイトをデータで離脱ポイントを把握、改善実行などを行っていない
ファネル分析でユーザーの動きを可視化し、ボリュームがあり離脱の高いページを特定し、そのページに対してヒートマップや遷移分析など行い課題の要因を特定する
・ユーザーセグメント別での情報提供(メールや接客)が出来ておらず全体最適しか出来ていない
ユーザーセグメントごとに流入や行動の違いを分析し、各ユーザーセグメントごとに意思決定に寄与している情報・コンテンツが何かを把握し、メールやWeb接客ツール等のユーザーごとに最適な体験を届けられるようにシナリオを設計する
先程までは、問題点・課題点や制約条件を把握している状態なので、改善施策を打ちやすい状況でした。ここでは最終的な結果は追っているけども、どこにその問題・課題があるのか?が把握できていない状態です。
まずは、全体の状態を現状分析(私たちは初期分析(全体分析)と呼んでいます)を行うことで、問題の箇所と問題の箇所が抱える課題を抽出します。と同時にどんなところが上手くいっている要因か?も分析することで、改善すべき点だけでなく、より推していくべき点を把握
していくことでCROを実行しやすい環境を作っていきます。
※初期分析についても過去記事に記載していますので合わせてご確認ください。(過去記事:CRO(コンバージョン率最適化)とは?まずは意味、全体の流れ、ポイントを理解しましょう)
※クラスタリングについては、CRMの過去記事に説明がありますのででこちらもご覧ください。(過去記事:CRMを運用する上で知っておきたい、クラスタリングについて)
いかがでしたでしょうか?
前回の記事と合わせてお読みいただくことで、
CROの全体像やCRO実行する意味、どんな状態の時にCROでどんなことができるのか?
が少しお分かりいただけたのではないでしょうか?
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
引き続きご愛読いただけますと幸いです。
- 石川 敬三
- 株式会社UNCOVER TRUTH
- 代表取締役CEO
VOYAGE GROUP取締役、株式会社PeX 代表取締役などを歴任。その他アドネットワーク、比較サイト、辞書サイト等様々なBtoC・BtoB事業の立ち上げに従事。株式会社サイバーエージェントでは、広告営業を始め、大阪支社立ち上げ、メールマガジンサイトmelma等のBtoCサービスの事業責任者やEC事業の立ち上げ等に従事。