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ヒートマップツール「USERDIVE」で分析が難しいメディアサイトを改善|朝日新聞出版社

株式会社朝日新聞出版 デジタル・ライツ部 サイトプロデューサー 北元均 様(写真中央右)
株式会社朝日新聞出版 デジタル・ライツ部 山中健雄 様(写真中央左)
株式会社UNCOVER TRUTH CAO 小川卓(写真右)
株式会社UNCOVER TRUTH UXコンサルタント 八木暁史(写真左)

導入時期:2015年5月〜

まずはヒートマップツール「USERDIVE」を導入したきっかけを教えてください。

北元:「dot.(ドット)」がスタートしてからまもなく3年を迎えるということで、そろそろ見直しのタイミングが来ていました。どこをどう直せばいいか経験則からわかることもいくつかありましたが、それだけではわからない客観的なことを知らないといけないという思いがあり、もともと入れていたGoogle Analyticsだけではわからない要素を知ることができるということでUSERDIVEを導入しました。

またECサイトなどに比べると、メディアのサイトに対する解析の経験をもっているところが少なく、お願いしようとしても運用方法やサイトの特性を教えるところからはじめなければならない状況でした。小川さん(UNCOVER TRUTH CAO)は朝日新聞社の時からやりとりをしていましたし、まずわれわれの会社やサイトのことをよくご存じだったことも、USERDIVEを選んだ理由の一つです。


ヒートマップツール「USERDIVE」導入前に「dot.」が抱えていた具体的な課題はどのようなものでしたか。

北元:1セッションあたりのPV数が同業他社サイトにくらべて低いということが最大の課題でした。また解決策を考える際に、ページのUIだけでなく、記事の内容がPVを大きく左右するといったニュースサイト特有の問題がありました。さらに、PVが増えたとしてもそれが広告収入につながらないとダメなので……。サイトとしてのわかりやすいゴールが設定しにくいのも悩みでした。

小川:ECサイトのように、商品を買えば終わりというわかりやすいものではないんですよね。


実際にヒートマップツール「USERDIVE」を導入してみていかがでしたか。

北元:まずスマホサイトについては、こういったツールの導入の経験がなかったので全くお手上げ状態だったなかで、かなりいろいろな発見がありました。PCサイトに関してはある程度想定していたことが裏付けられたという感じです。実をいうと(PCサイトに関しては)ものすごく新しい発見はなかったのですが、それまで漠然と「こうだろうな」と考えていたことが裏付けられました。

小川:データで改めて見ると「やっぱりそうだった」という、具体的に施策を進めていくうえでの安心がありますよね。

山中:はい。それと、セグメント(どことどこを比較すればいいかというアイデア)も、データから導く仮説の立て方も、自分たちで考えていたものとは違っていたし、結果が出るところまでお世話をしてもらうことで勉強になりました。

小川:自分たちだけで発想を広げていくのって、けっこう難しいんですよね。

山中:発想に限界がきますね。

セグメントの違いとは具体的にどういうものだったのでしょうか。

山中:もともとはかなりシンプルに、流入元やOS、ブラウザ、ロイヤルティーなどで比較をしていましたが、UNCOVER TRUTHさんからの提案は違いました。

八木:今回はコンバージョンとして「3ページ以上見ているユーザーと見ていないユーザー」で違いを出し分けることにしました。

小川:メディアの場合、ページ送りという概念がユニークなんですよね。例えば今回、私の経験則でいうと記事ランキングのコンテンツというのは記事を読み終わった後に見るものだと考えていたので、もともとページの下のほうに置いていたんですが、八木がページ上部にもっていきたいと言ったんです。かなり疑いの気持ちがありましたが(笑)、ページ上部にもっていったら記事ランキングの利用率が上がった。

そのページの記事をぱっと見て興味を持たなかった人が、実はランキングの方に行っていたんですよね。その記事に興味がなかったからこそランキングの方に飛ぶのに、これまでは下の方にあったから記事を読まないと出てこなかったんです。改めて仮説と思い込みだけでなく、ヒートマップツールのデータを見ることの大切さを感じました。

北元:その話には続きがあって、ランキングの位置を変えてしばらくすると、実はまた利用率が落ちてきてしまったんです。メディアのサイトを訪れてくれる人というのはサイトに何かしらの変化があるとそれに反応を示してくれるようです。なので、時間を置いてもう一度ヒートマップで見てみたら、同じサイトでも結果が変わるんじゃないかなと。そこをまたみて見たいですね。

小川:訪問頻度が高い人と低い人でも、そこは違うのかもしれないですね。これも新しいゼグメントの考え方です。


メディアのサイトならではの分析の難しさというのはありますか。

八木:ユーザーの行動が記事の内容に依存してしまうのが一番難しいところですね。複数ページにわたる記事なのか、1ページ完結の記事なのかによってPV数も要素が違います。ヒートマップで見てこの記事のページはこう改善した方が良いと言っても、その記事にしか適用できない施策だったり。

小川:コントロールできない部分が多いのはメディアならではの難しさです。またページビューパーセッション(1セッションあたりのPV数)を上げるための裏技のようなものもやっぱりあって、ページを分割したり、どのページにアクセスしても一度ボタン押さないと次に進めないという構造にしたりすればPV数を稼げたりするんですが、そちらに行かないようにというのは気をつけていました。ユーザーの使いやすさのためにサイトを改善するという考え方を大切にしていたので。

北元:そういう(裏技のような)やり方をしているとユーザーがどこかで気づいてしまいますから。

小川:外部サイト(流入元サイト)に依存しない形で、サイト内の負の要素をなくしていくことでPV数を上げるのがお互いにとって良いことだと考えています。


UNCOVER TRUTHのサポート体制についてはどのような印象ですか。

山中:PDCAのサイクルを意識しながら改善施策を提案していただいていたので、そういう文化を社内でも身につけていきたいです。分析で分かったこと以上に、データをきちんと分析しながらサイトを改善する文化が根付けられればいいなと思っています。ヒートマップを見て「こうですね」で終わるのではなく、そういう関わり方をしてもらえたのがすごく勉強になりました。

北元:「dot.(ドット)」の場合はヒートマップツール「USERDIVE」の導入前から(GAなどを活用して)分析をしていたので、検証・裏付けのような感じで使わせてもらっていましたが、これが全く初めて分析のツールを導入するという企業だったらこういった分析結果を見るのはかなり面白いのではないかと思います。メディアのサイトではまだUXの解析をしているところは少ないんじゃないでしょうか。

小川:これまで手をつけていなかったサイトであればあるほど分析の結果に驚くと思いますし、効果も絶対大きいですから。


もともとある程度の分析をしていてその先の発見を得る場合と、初めて分析をしてみて「こんなことになっていたのか」という場合と、ヒートマップツールを導入する企業にも2つのタイプがあるということですね。

小川:何かしらの分析をやっていても、ヒートマップツールを使ってないところはまだまだ多いです。

八木:ページ単位での動きを理解されていても、ページ内の動きを理解されているお客さまはまだ少なくて、そこの施策を喜んでいただけることが多いです。

小川:単純に「80%のユーザーがここで離脱しました」ではなく、読んでから離脱しているのか読まずに離脱しているのかが分かるだけでも、ここまでは読んでるからここに導線をはろう、ということができますよね。

八木:それから「dot.(ドット)」の場合は、我々が提案した施策に対するフットワークの軽さがありがたかったです。

小川:当たり前ですが、改善施策を実行しないことにはサイトは改善されません。データに基づいた客観的な説得力があるということで、行動の根拠にもしていただけたのかなと思っています。サイトを変えたいというときに、何となくの提案では上司も動かせないと思いますが「こういうデータがあるので変えましょう」と言うことができれば上司にも説明しやすくなる。そういう使い方もありですよね。

ヒートマップツール「USERDIVE」にさらに求めることはありますか。

北元:組織には人事異動があるので必ずしも分析の得意な人がずっとサイトを担当していられるわけではありません。アウトソースすることによって分析のスキルを常に維持できるというのもUNCOVER TRUTHの魅力の一つだったので、今後も継続的にアウトソースできるプランがあるとありがたいなと思っています。

インタビュー実施時期:2015年9月
場所:朝日新聞出版本社

取材記事:株式会社ネットワークコミュニケーションズ

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