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ユーザーが時間を使うメディアはテレビからスマホへ|コミュニケーションの変化に向けたCDP活用の必要性

この記事では、ユーザーが時間を使うメディアの首位が、テレビからスマホに変わったことを踏まえて、ユーザーとのコミュニケーションの変化や、これによるCDP活用の必要性について書いています。

こんにちは、ブログ執筆担当の小畑です。最近はウェビナーのレポート記事や、ChatGPTが書いた記事等の公開が続いており、私の記事執筆はサボっておりましたが、今回から、再度心を入れ替えて継続的に執筆していきます!これからもどうぞよろしくお願いいたします。

筆者が、2021年2月に国内初のCDP専門書籍「ユーザー起点マーケティング実践ガイド(外部リンク)」を出版してから、CDPやCRMに関するご質問を多くいただくようになり、それらに応えらえるようにと、CDP導入時の様々な疑問を解決するコンテンツ(別記事:CDP導入時の疑問を解決|過去記事まとめ~選び方、費用、失敗を防ぐ、活用例~)を多く作成することが出来ました。普段からこのように率直なご質問をいただける環境があることを大変ありがたく感じています。さて、今回は、直近でマーケターの方からの相談が多い下記をテーマに書いています。

「他の会社ってどうやってCDP導入の社内説得をしているの?うちの会社って全然伝わらないんだよね・・・」

永遠のテーマのように感じる、サービス導入やプロジェクトでの社内説得や承認ですが、皆さまの会社(上司や決裁者)ではいかがでしょうか?

CDPの導入においても同様で「なぜCDPを導入するの?いくらかかるの?CDPを使えば売上があがるの?」といった社内からの声に対して、丁寧な説明や説得が必要だというお話は以前からよく聞いています。このような社内での説得や議論に役立つようにと、CDPの導入費用対効果について以前執筆しております。ありがたいことに「参考になった」と多く言っていただける記事となったので嬉しい限りです!まだ、ご覧になっていない方はぜひこの機会に一読ください!

別記事:CDPの費用対効果はどう算出するのか?|顧客のセグメント転換で考える

別記事:CDPの費用対効果はどう算出するのか?|インフラとしてCDPを考える

ユーザーが時間を使うメディアはテレビからスマホへ

とはいえ、上記のような内容を伝えたとしても「正攻法の話だけだと、うちの上司はピンと来ないんだよね」というお話をいただくことがあります。そこで、今回は少し視点を変えて「ユーザーが触れている媒体」を着眼点に記事を書きました。きっかけはMarkezineさんが出した「メディア接触時間、携帯・スマホが初の3分の1越え/博報堂DYMPが「メディア定点調査2023」を発表」(外部リンク)という記事です。

引用元:MarkeZineニュース:左:メディア総接触時間の時系列推移(1日あたり/週平均)、右:メディア総接触時間の構成比の時系列推移

上図のグラフをご覧ください。メディアに接触する時間がテレビからスマホへ年々シフトしています。つまり、顧客との接点がスマホ化していると捉えることができます。(※テレビが効く効かないという議題ではありません)マーケターの皆さまからすると、当たり前すぎる情報なのでスルーしてしまうかもしれませんが、改めて考えてみたいと思います。

コミュニケーションはマスからパーソナルへ

先ほどのグラフで2023年を見ると、スマホがテレビの接触時間を超えています。このことを言い換えると、TV=ファミリー(不特定人物)のメディアから、スマホ=パーソナル(特定人物)のメディアへ主役が移り変わったということです。パーソナルメディア(個人特定のスマホ)が、コミュニケーション媒体の頂点になったという事実は、社内や上司に向けて、CDPが必要な理由を説明するための好材料だと考えています。

不特定多数へのコミュニケーションは、俗にマス(一般多数)マーケティングと言われます。多くの人に広く響くようにするためには、サービスや商品の全体像の雰囲気(イメージ)を伝える必要があります。対して、特定の人物へのコミュニケーションは、その特定された人物が喜ぶ、興味のあるコンテンツに限定したり、尖らせたり、深堀されたよりパーソナルな情報を伝えることが必要になります。

ファミリーとテレビ→個人とスマートフォンへ

例えば、私はサッカーの大ファンです。特に欧州サッカーの熱烈なファンです。息子が現役のサッカー部なので育成年代のサッカーも大好きです。マスのコミュニケーションだと、スポーツやサッカーに関連するコンテンツが使われている情報や広告に、私の興味はくすぐられるかもしれません。対して、パーソナライズされたコミュニケーションであれば、チャンピオンズリーグのワンシーンや部活で汗を流している学生サッカーのワンシーンが出てくれば、私の興味にピンポイントなので、すぐに興味津々になります!これは、極端な例ではありません。

個人を理解して、個人が求めるコンテンツでコミュニケーションを

個人の情報や属性、オンラインやオフラインでの接触や行動の情報をデジタルで管理することができるようになると、その個人が求めるコンテンツを理解できるようになる上に、そのコンテンツを直接届けられるようになります。

そのため、興味関心(Web/Appの行動データ)、ライフスタイル、ライフステージ、購買傾向など、個人の解像度を上げるような情報が集まれば集まるほど、その人物により熱心なファンになってもらえる可能性が高まります。CDPとは、個人と企業(商品やサービス)が直接コミュニケーションを行うためのツールであり、パーソナルなコミュニケーションを行うために必要な情報(データ)を格納する基幹システムになります。

CDPはこれからの時代、さらに多くの事業で必要とされていくでしょう。なぜなら、いまやスマホは全ての人の手の中にあり、視聴する時間もテレビを超えて1番となったからです。あらためて、スマホとは、個人を特定し、その一人一人に適切なコミュニケーションを送り届けることができる国内最大のメディアなのです。

反対に、CDPがない場合は、データがあったとしても、社内でバラバラに存在し、せっかくのデータを個人に紐づけることが出来ていないことが多く、個人に対する情報がまとまっていない場合がほとんどです。そのため、その人物に対して必要なコンテンツが、そもそもわからなく、的確なコミュニケーションを取ることができない場面が増えていきます。

使いやすさの時代から、使いやすさ+求める情報がある時代へ

私は、前職でモバイルマーケティング領域に14年間深く携わってきました。スマホが発売された頃、スマホはPCを超える、ガラケーユーザーを全て塗り替えると、登壇するたびに喧伝していました。その頃はスマホの画面に最適なUIを提供するだけでECの売上は爆増し、UIの使いやすさで会員サービスのユーザー数は激増していた時代です。

それから10数年が経ち、UI/UXの重要性は操作性の高いサービスの提供だけでなく、個人のニーズにパーソナライズされたコンテンツの提供にまで発展してきました。ここにきてコミュニケーションの必要要素に「UI最適化」と「コンテンツの最適化」が加わったのです。

この進化は不可逆です。一般的なユーザーが、日常的に受け取っている情報はどんどんパーソナライズされてきています。Amazonのレコメンドも、TikTokやインスタは、個人の特定がなければ成り立たないレベルに達しています。そしてそれらのサービスレベルが私たちの日常なのです。

パーソナルなレコメンデーション

自社のサービスは、このようなサービスレべルに対応できていますか?

今後、パーソナライズされていないサービスは、違和感や不便の対象になってしまう恐れがあります。ユーザーの日常となった「当たり前」に対応していくこと、これが、決裁者や上司にご理解をいただきたい現実なのだと考えています。コンテンツまでパーソナライズされていく私たち個人の日常、その個人を知り、解像度を高めるためのデータ情報基盤は必須アイテムになりました。それがCDPです。すごくシンプルな「CDPの必要性」についてのお話でした。ここまでお読みいただきありがとうございました。


この記事を書いた人

小畑 陽一
株式会社UNCOVER TRUTH
取締役COO(Chief Operating Officer)

music.jpやルナルナを手がけるエムティーアイ社出身。ソリューション事業責任者として、大手企業向けモバイルサイト構築ソリューションで、国内ナンバーワンのASPサービスを展開。2014年、取締役として株式会社UNCOVER TRUTHの取締役COOとして経営に参加。経営・事業戦略とマーケティングを管掌。 ad:tech Tokyo / Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。
著書:『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』(CDP専門書籍)


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