大手スポーツアパレル:CRM自走化とデータマート構築

大手スポーツアパレル:CRM自走化とデータマート構築

更新日:2026/07/14

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はじめに

「データはあるのに、必要なときにすぐ使えない」「施策のたびにデータ抽出を依頼し、返ってくるのを待っている」——こうした状況は、多くのマーケティング・CRM組織に共通する悩みです。本記事では、大手スポーツアパレルメーカーのCRM組織を支援し、施策運用の「自走化」と、それを支えるデータマート・データ連携の仕組みづくりを実現した事例をご紹介します。データ活用の推進に責任を持つ立場の方が、自社の環境を見直すヒントとしてお読みいただける内容です。

そもそも「データが組織の共通言語になっている状態」とはどのようなものか、理想像を整理した記事もあわせてご覧ください。

事例の概要

今回ご紹介するのは、スポーツシューズやアパレル、アクセサリー商品の企画・製造・輸入・販売を手がける大手スポーツアパレルメーカーです。ECと店舗の両チャネルで事業を展開しており、顧客との関係を長期的に育てるCRMが事業成長の重要なテーマとなっていました。

支援対象の組織

支援対象は、同社のCRMチームです。EC部門や営業企画部門からの依頼を受け、施策提案や振り返りに使うデータの抽出、施策対象者リストの作成、ダッシュボード用のデータ整備などを担う組織で、いわば「現場の施策とデータをつなぐ結節点」に位置しています。

直面していた課題

同社は事業・組織の両面で、次のような課題を抱えていました。

  • 事業面:成長の踊り場
    基幹となるECシステムのリプレイスなど内部システムの構築にリソースが集中し、全体的に売上が伸び悩んでいた。加えて、主力カテゴリのトレンド鈍化や、新規流入の獲得ペースの鈍化も重なっていた。
  • 組織面:データ業務の停滞
    データまわりを担っていた前任の担当者が退職したことで、施策を支えるデータ基盤の構築・更新のスピードが落ちていた。既存顧客と良い関係を築くCRM施策を強化したい一方で、それを支えるデータの供給が追いついていない状態だった。

そこで、CRM施策の強化を軸に、施策を「自社のタイミングで・自分たちの手で」回せるようにする自走化の支援と、その精度とスピードを担保するデータマート・データ連携の仕組みづくりが求められました。

DX-Acceleratorの取り組み

私たちは、必要なデータをタイムリーに供給する「分析用データの整備」から、施策運用を自動で支える「データマート・連携の仕組みづくり」、そして誰もが安心して使える「定義の標準化」までを一貫して支援しました。

分析用データの作成・共有

まず、CRMチームが施策検討や振り返りに使いたい顧客データ・売上データについて、「何を・どの粒度で見たいのか」を丁寧にすり合わせました。そのうえで、CDP(顧客データ基盤)から必要なデータを集計し、扱いやすい形で共有。現場が知りたいことにすぐ応えられる状態を整えました。

施策運用を支えるデータマート/データ連携の構築

次に、施策運用を「人手を介さずに回る」状態にするための仕組みを整えました。具体的には、顧客セグメントの作成を支えるデータマートを自動で生成する流れと、施策用データを集計して各施策ツールへ自動で連携する流れを構築。データは毎朝最新の状態に自動更新されるようにしました。これにより、担当者が手作業でデータを準備し直す必要がなくなりました。

データ定義書の整備

あわせて、各データ項目が持つ意味やデータの種類、レコードを一意に識別するキー(主キー)などを詳細に記した「データ定義書」を作成・更新しました。仕組みを引き渡すだけでなく、「そのデータが何を表しているか」を誰もが正確に理解できる状態にすることで、担当者が変わってもデータ活用が止まらない土台をつくりました。

取り組みによって得られた成果

1.意思決定・分析サイクルの加速
必要な顧客データ・売上データをタイムリーに共有できるようになったことで、現状分析から次の施策検討へと進むサイクルが速くなりました。「データを待つ時間」が短くなり、判断のスピードが上がっています。

2.施策運用の「自走化」と「高速化」
担当者が自分のタイミングで顧客セグメントを作成し、そのまま施策を実行できる体制が整いました。データの集計から連携までを自動化したことで、施策実行の流れが大幅に簡略化。人為的なミスや工程の停滞を防ぎ、運用スピードの構造的な向上につながりました。

3.データ活用環境の標準化
項目の定義や主キーを網羅したデータ定義書を整備したことで、誰もがデータの意味を正確に把握し、安全に活用できる土台ができました。「このデータは何を指すのか」で迷うことのない、標準化された環境を実現しています。

今後の展望

今回の取り組みで、CRMチームは「データを依頼して待つ」状態から、「自分たちのタイミングでデータを使い、施策を回す」状態へと一歩踏み出しました。自動化された仕組みと標準化された定義という土台ができたことで、今後はより多くの施策をスピーディに、そして安定して実行していける環境が整っています。私たちは引き続き、クライアント自身がデータ活用を自走できる状態——お膳立ての完了——を目指して伴走していきます。

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私たちDX-Accelerator事業では、データ活用についての様々なスキルを持った人材が常駐でデータ活用支援を行うサービスを提供しています。
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株式会社UNCOVER TRUTH
アナリティクスエンジニアユニット リーダー

2022年、UNCOVER TRUTHに中途入社。
大手GMS・外資系SPA・大手百貨店といった小売業界を経験後、一念発起してIT業界に転身。
広告代理店・マーケティング支援会社などのデータ業務を支援に携わる。
現在はユニットリーダーとして、クライアントのデータ活用を推進するとともに、
メンバーの採用やチームビルディング、強い組織づくりに注力。出雲市在住。

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