コアプロセス③データの可視化

コアプロセス③データの可視化

更新日:2026/08/12

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はじめに

ビジネスとエンジニアの「架け橋」を担うアナリティクスエンジニアが、現場で実際に進めるコアプロセスを4回に分けて解説するシリーズです。第3回のテーマは「データの可視化」。多くの企業がBIツールを導入済みにもかかわらず、「ダッシュボードを作ったのに意思決定に使われない」という壁にぶつかります。この記事では、使われる可視化とは何が違うのか、DX-Accelerator(DXA)がどのようにBIを設計し、定着まで伴走するのかを、データ活用を推進する立場の方に向けて整理します。

本シリーズは「①データ環境整備 → ②分析用データの作成 → ③データの可視化 → ④ナレッジ共有」の順に進みます。前ステップの記事もあわせてご覧ください。

▼前のコアプロセスの記事はこちら

なぜ「BIを入れたのに、意思決定に使われない」のか

可視化がうまくいかない現場では、ツールそのものよりも「作り方」と「使われ方」に共通したつまずきがあります。データ人材の不足が背景にあると、次のような症状が起こりがちです。

1.アウトプットまで時間がかかる
データを依頼しても、集計結果やダッシュボードが出てくるまでに時間がかかり、意思決定のスピードに追いつかない。

2.数値が合わなくなる
各部門が自前でSQLやBIを作った結果、経理などが管理する公式な数値と合致しなくなり、どの数字を信じてよいか分からなくなる。

3.ブラックボックス化する
外部ベンダーや他部署が作ったSQLやBIは、中身を把握できずブラックボックス化し、担当者が変わった途端にメンテナンスできなくなる。

さらに、スプレッドシート上で集計と可視化を続けているケースでは、複雑な集計が特定の個人に依存し、分析そのものが属人化していきます。「あの人しか触れないダッシュボード」は、可視化の目的である”誰もが同じ数字を見て判断できる状態”から最も遠い状態です。つまり可視化の課題は「ツールが足りない」ことではなく、設計・定義・定着という3つの欠落にあります。

DXAのデータ可視化アプローチ

DXAのアナリティクスエンジニアは、作成したデータを使ってBIを構築するだけでなく、ビジネスサイドの「扱いやすさ」と「連続性」を念頭に置き、BI定義書や使用方法までドキュメントとして残します。データに基づいた意思決定を可能にするために、可視化を次の3つの観点で進めます。

①目的に応じたダッシュボード/レポートの設計・構築

「何を判断するための可視化か」という目的から逆算し、Tableau・データポータル(旧 Looker Studio)・Power BIなどを用いてダッシュボードの構築や定型レポートの作成を行います。すでにダッシュボードがある場合は、使いやすさ(ユーザビリティ)や表示速度(パフォーマンス)といった観点で評価し、改善提案までを行います。見た目の華やかさではなく、意思決定に必要な指標へ最短でたどり着ける設計を優先します。

②BI定義の明確化と文書化(BI定義書)

ダッシュボードやレポート上の各グラフ・表・指標について、その定義と参照しているデータソースを明記した「BI定義書」を作成します。「この数字はどこから来て、どう計算されているのか」を誰もが確認できる状態にすることが、前章で挙げた”数値が合わない”、”ブラックボックス化する”という問題への根本的な対策になります。可視化を作った本人以外にも運用が引き継げる、透明性の高い状態をつくります。

③BIツールの利用促進と定着化支援

ダッシュボードは「作って終わり」ではありません。作成したダッシュボードやレポートの具体的な使い方、データの読み取り方をドキュメント化し、必要に応じてBIツールの基本操作のレクチャーや活用ワークショップを実施します。「見られる」状態から、現場で日常的に「使われる」状態へと引き上げることが、このステップのゴールです。

なお、可視化で扱うツールは購買データ・顧客データ・ウェブログ・広告データなどのデータソースに応じて選定します。BI・レポーティングではデータポータル(旧 Looker Studio)、Power BI、Tableau、Qlik Sense、Redashなどを、データ基盤ではBigQuery、Snowflake、Treasure Dataなどを、貴社の環境に合わせて使い分けます。

事例:スプレッドシートの属人化から「誰でもいつでも見れる」状態へ

大手アパレルの持株会社(ホールディングス)における、データ可視化のプロジェクト事例をご紹介します。

  • 課題
    スプレッドシート上で集計と可視化を行っていたため、複雑な集計が特定個人に依存し、分析が属人化。分析要件に必要なデータをどこから取得すればよいかも不明確な状態でした。
  • 実施内容
    BigQueryとデータポータル(旧 Looker Studio)による運用を完全自動化。既存の集計ロジックを調査したうえで自動処理に反映し、エンジニアと連携して各分析に必要なデータを整理しました。
  • 効果
    データを見たい人が、いつでも見られる・活用できる状態を実現。特定の担当者に頼らず、誰でも分析を行える体制が整いました。

まとめ:可視化はゴールではなく、意思決定の起点

データの可視化の価値は、きれいなダッシュボードを作ることではなく、それが実際に意思決定へ使われることにあります。そのためにDXAは、目的からの設計・構築、BI定義書による透明化、そして利用促進と定着支援という3点をセットで進めます。可視化を「見られる」だけでなく「使われる」ところまで引き上げることが、架け橋としてのアナリティクスエンジニアの役割です。

本シリーズのコアプロセスは「①データ環境整備 → ②分析用データの作成 → ③データの可視化 → ④ナレッジ共有(自走化)」と続きます。整えた基盤の上に作ったデータを、意思決定に使える形へと変えるのが今回の「③可視化」でした。次回は最終ステップ、社内にナレッジを残して自走化を実現する「④ナレッジ共有」を取り上げます。自社のデータ可視化をどこから見直すべきか迷われている場合は、下記の無料相談やサービス紹介資料もあわせてご活用ください。

▼次のコアプロセスの記事はこちら

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